〒669-3601 丹波市氷上町成松140-7

丹波大納言小豆などの農産物を続々と商品化する農家

農業生産法人 なかで農場合同会社

代々丹波の地で農業を営む「なかで農場」が2020年より丹波大納言小豆を使用した赤飯「赤鬼飯」を企画・販売しています。農家でありながら、商品プロデュースを次々と手掛ける業務執行役員の中出靖大さんに、お話をうかがいました。

丹波のブランド小豆を使った商品で、地域に一層の潤沢を

「なかで農場」は、8年ほど前から丹波大納言小豆の栽培にも着手。さらに、自分の農場だけではなく地域全体が潤うようにと、歴史ある丹波大納言を使った商品の企画開発にも取り組み、2020年から販売を開始しました。それが丹波大納言小豆の赤飯「赤鬼飯」です。農場体験に来た地元の高校生と一緒に商品のネーミングやパッケージデザインを考えました。地元の武将、赤井直正の異名「丹波の赤鬼」にちなんで名付けたそうです。

丹波市産の丹波大納言小豆とコシヒカリ、兵庫県産のもち米を使用。粒が大きく旨味・甘味、栄養価もより高い丹波大納言小豆がごろごろとたっぷり入っていて食べ応えがあります。電子レンジで温めるだけで食べられる手軽さもうけ、販売を開始するやいなや、たちまち人気商品に。“道の駅 丹波おばあちゃんの里”や“JA丹波ひかみ とれたて野菜直売所”など地元で販売しているほか、通販サイトでも購入でき、関東圏のリピーターも多いのだとか。1個160g、650円(税込)。

中出さんは、丹波大納言小豆の生産安定や品質向上を目的とする「丹波大納言小豆生産振興会」の会長も務めます。「商品化の作物は、自分のとこだけじゃなく、買い戻して使用しています。地域のものを使わせてもらっている、という気持ちです。お米も小豆も、そうすることで、地域の農家の経営が安定につながると思いますし」と、地域全体の底上げを考えます。

また、「今まで丹波の人が長い歴史のなかで大事に作ってきてくれたものを、今度は私たちが守り、次へ引き継いでいくことが必要だと思うんです」と、力を込めます。

次々と湧いてくる商品化構想

中出さんの挑戦は、赤飯にとどまりません。

こちらは、試作中に県の海外向け事業での出品を依頼された、丹波大納言小豆の「茹で小豆」。2020年秋からは通販サイトでの販売もはじめました。塩も砂糖も入らないシンプルな茹で小豆なので、そのままでも食べられるほか、おかずにもスイーツにも好きなようにアレンジが可能。

もうすぐ(2020年10月末現在)発売予定となっているのは、「山の芋あられふりかけ」カレー・わさび・かつお・しその4種類。丹波産の山の芋をクラッシュしたものに加え、より山の芋感を出すために、山の芋のフリーズドライをコーティングしたあられも入れた、オリジナル商品です。「構想期間は1年くらい。加工業者などは自分で地道に探し、なかなか手のかかった子ですね」と、中出さんは笑います。

意外と着手していなかった丹波大納言小豆そのものの商品化や、地元有名店とコラボする「あずきミルクジャム」、研究中の「小豆茶」、「白玉あずき」など、商品企画の開発はどんどん続きます。

「丹波大納言小豆にせよ、丹波の山の芋にせよ、おいしいのは当たり前。それをどうやって売っていくんだ、ということが大事。丹波の農業に新たな広がりを生むと考えています」と、中出さんの語りに熱が入ります。

農家人であり、起業家であり、プロデューサー

「おそらく正徳の頃からはじまった」なかで農場は、現社長で11代目。その息子・中出靖大さんは大学で経済学を学んだのち、地元の農協に10年勤めます。その間も父親の手伝いや、他の農家から山の芋栽培の指導を受けるなどして農業に携わっていました。専業農家となった後、8年ほど前から丹波大納言小豆の栽培もはじめたのです。「とはいえ、大納言小豆は昔、どこのうちでもつくってたんです。うちもひいばあちゃんが自家用につくってて、暮らしのすぐそばにありました。採った種は一升瓶に入れて保存して、毎年。もうその種はなくなっちゃいましたけど」。

いまでは5haの圃場で栽培し、出荷しています。「今年はいい実がついてますね。もう収穫できそうなほど」と、中出さん。同じ小豆でも、乾燥具合によって品質にばらつきがうまれます。「うちは、均質になるよう、かつ味が逃げないように乾燥させているので、加工しやすいと言われます」と、特徴をあげます。

学生時代に、授業の一環として、学生用スーツの企画・販売をした経験がある中出さんは、「自分はあくまでも農家。でも、土づくりから始まって、口に入る製品までをプロデュースするのは、本当におもしろい」と、一次産業から六次産業まで、ものづくりに携わる醍醐味を話します。

「昨年くらいから企業ロゴを作ったり、事業の方向性を明確化したり…。企業体力をどうあげていくかに積極的に取り組んでいます。そういうことで結果を出し、農業の若いなり手を増やしていきたい」。

すでにブランド力のある丹波大納言小豆を筆頭に、魅力ある丹波の農産物をいかに存続させるか、そしていかに地域のよりよい発展につなげ、未来にバトンパスするか。歴史と経験に裏打ちされた技術と、確かな目利き、そして発想力と実行力を備えた台風の目となって、実現へと導いています。

 

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