西日本一かも!?大きな工場で50種類以上ものパンを毎日焼く

TESORO(株式会社足立商事)

生活雑貨などの卸売業や製造業外注の請負業、物流倉庫業などの事業を行う、株式会社足立商事が、2020年12月からパン製造・販売業をスタートさせました。ブランド名は「TESORO(テゾーロ)」。素材や製造にこだわり、毎日50種類ほどのパンを焼いています。

販売は、道の駅・おばあちゃんの里やJR柏原駅構内、ひかみ四季菜館で行っています。

丹波産ブルーベリーで酵母を起こすこだわりのパン

TESOROで展開するパンは、大手前大学のパン講師がレシピ開発や指導にあたってくれています。天然酵母を独自の方法で起こす特許を取得している先生なのだとか。同店では、丹波市産のブルーベリーをこの方法で酵母起こしをし、カンパーニュなどを焼いています。発酵力が強く、ワインのような芳醇な香りがするそうです。そのほかのパンも、レーズンで起こした酵母を使用。食パンやフランスパン、菓子パン、総菜パンなど、豊富な品揃えを誇っています。

代表取締役の足立健実さんは、「ご縁があって、その“巨匠”に協力を仰ぐことができました。“こんなパンをつくりたい”とリクエストすれば、新しいレシピを開発してくれるので、新商品がどんどん生まれます」と、話します。食パンだけでも、湯種食パン、デニッシュ食パン、黒豆入り、あんこ入りなど10数種類も。「いつも全てを焼いているわけではなく、その時々でラインナップは異なります。お気に入りに出会える楽しみを見つけていただければ嬉しいですね」と、足立さん。

生クリームをブリオッシュ生地にたっぷり挟んだ「マリトッツォ」は、季節のフルーツなど挟むものを変えて、数種類スタンバイ。ベースのクリームは、東京・銀座の有名フルーツパーラーのものを使用。甘すぎないので、何種類も購入される方が多いそう。

総菜パンは、丹波地鶏や但馬牛など地元のものを使ったものも。日によって、昼過ぎには売り切れてしまうものもあるので、早めにチェックしましょう。

舞い込んできた偶然が重なって、新規事業に結びついた

同社がパン製造・販売を行うことになったのには、いろいろな偶然のタイミングが合ったからでした。本業の卸売業で取り扱う商品数が増加するに伴い、自社倉庫も拡大していきました。使わない分を貸し出していましたが、あるときぽっかり空いたのだそう。そんなとき、自社で何かをつくるビジネスを手掛けてみてはどうかという話が舞い込み。そして、かねてより付き合いのあった大手前大学からの食品加工事業への打診などが重なり、パン製造にいたりました。

「最初はうまくいくのか不安もありましたが、ありがたいことに、多くのご好評の声をいただいています」と、足立さん。流行りや周囲の動きもつかみつつ、地元の人の要望に応えられるよう、常にラインナップは変化に富んでいます。

今後、活躍の場はどんどん広がっていく予感

カツサンド、クラブハウスサンド、バインミー、トルティーヤなど世界中のサンドイッチを販売する店を県外に構える計画もあるそうです。「なにせ、工場がとても広いので、大量生産に対応することが可能なんです。おそらく、パン製造設備は西日本で最も充実している工場の一つじゃないかと思います。また、衛生管理にも非常に気を付けています。外部から入って作業場までは4枚の扉をくぐらないと中には入れません。ほぼ無菌状態です」と、自信をのぞかせます。今後は、パン製造のOEMや学校給食なども受けていく予定だそう。

「モノづくりは初めての分野ですが、とてもやりがいを感じています。それに、これまで地元で採れる食材はあるのが当たり前すぎて、あまり意識はしていませんでしたが、今は地元の食材をどう生かせばおもしろいものがつくれるだろうか、お客さんは喜んでくれるだろうか、などと日々、思いめぐらせています」と、今後も挑戦は続きます。

 

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