丹波のお店とお客さんをつなぐ架け橋 にじいろタブレット

カラーキューブでおひさまのように温かく夢を応援し、小児がん支援の輪を広げる

Heart&Body salon Sun

丹波市青垣町にある「Heart&Body salon Sun」は、心と体の両面から自分自身を整えることをテーマにしたサロンです。代表の足立佐知子さんは、看護師としての経験と自身の深い体験を背景に、カラーキューブを使ったセッションやヨガを通して、訪れる人が自分らしく生きられるように背中をそっと押しています。さらに、地域の人々の夢を応援したり、小児がん支援につながるマルシェ活動を行ったり、温かい人の輪を広げています。

命と向き合う経験から生まれた場所

サロンを運営する足立佐知子さんは、長年、看護師として最前線で働いてきました。でも、その人生には大きな悲しみがありました。過去にお子さんを先天性心疾患で亡くされ、2019年(令和1)にはご主人を肺がんで見送るという経験をされたのです。

生と死の現場で働きながら家族の看病を続けた佐知子さんは、深い喪失感から心身のバランスを崩して休職を余儀なくされました。その苦しい時期に、周囲の人々に支えられたことで、投薬治療だけでは解決できない心のケアや、人と人のつながりの大切さを痛感したそうです。

復調して「一度しかない人生を後悔なく生きよう」と決意した佐知子さんは、ここから前向きな挑戦を始めます。20歳の頃に父親に反対されて諦めていたバイクの免許取得に挑戦。50歳にして自動車教習所の門を叩いた時には、息子の申し込みに来た母親と間違われながらも、見事中型二輪免許を取得。現在は250ccのバイクでソロツーリングを楽しんでいます。

さらに、夜勤専従の看護師として仕事をしながら、リンパドレナージュ、ヨガインストラクター、医療福祉マナーインストラクターの資格を取得。医療福祉マナーインストラクターの資格を生かして、医療現場のコミュニケーション改善に向けた講師活動を行うなど、そのエネルギーはとどまることを知りません。そして、自身と同じように心身の不調や悩みを抱える人の力になりたいと、自宅サロン「Heart&Body salon Sun」をオープンしました。「Sun」という名前には、太陽のように温かく社会を照らす存在になりたいという願いが込められています。

心の声を鏡のように映す和のセラピー

サロンのメインメニューとして提供しているのが「ジュエル キューブ リフレクション」という日本発祥のセッションです。佐知子さんは、この手法に出会って、夜勤明けに新幹線などを乗り継いで佐賀県まで通うという過酷なスケジュールを乗り越え、資格を取得しました。

今回、私も実際にマルシェなどで行われているミニセッションを体験させていただきました。まず、純白、撫子(なでしこ)、紫苑(しおん)、瑠璃(るり)などの和名がついた10色のカラーキューブの中から直感で一色を選び、そこから連想する風景や感情を言葉にしていきます。

純白

まず漆黒のキューブを手にとってから、しっくりくる別の色を選びます。私が選んだのは純白。それを手に思い浮かんだ光景を言葉にします。次に純白のキューブを手にとって別の色を選びます。

水浅葱色

私が選んだのは水浅葱(みずあさぎ)。思い浮かんだ情景を言葉にすると、佐知子さんはその言葉を否定も肯定もせず、鏡のようにそのまま返して深堀りしていきます。

メッセージカード

「なぜそれが好きなのですか」という問いかけに、改めて自分の深奥にあるものをたぐりよせます。それを繰り返すうちに、「ああ、そうだった」と腑に落ちることがありました。占いではなく、「自分自身の本当の願いに気づかせてくれるセッション」だというのが体感できました。

今回はミニセッションでしたが、通常のセッションは1時間から1時間半かけて、じっくりと行うそうです。さらに、最後にひくメッセージカードの文言が、クスッと笑えたり、あるある!って思えて、セッションの楽しい締めくくりになりました。

夢を応援するマルシェと支援の輪

サロンやイベント会場でのセッションを通して、田舎での暮らしや年齢を理由に、やりたいことを諦めている女性が多いことに気づきます。お菓子屋さんをやりたい、地元の野菜を使った食品を作りたい。そんな彼女たちの背中を押すことができればと、2025年(令和7)3月に青垣の「衣川曾館」で10人の仲間とともに「おひさままマルシェ」を立ち上げました。

物販やワークショップなどを盛り込んだマルシェは回を重ねるごとに参加者が増え、今では約45名に拡大。奇数月に開催され、多可町の極楽寺、青垣の高源寺や瑞雲寺も会場に加わりました。お寺でイベントをやっていいのだろうかという当初の不安はすぐに払拭され、檀家の方々が駐車場整備などの裏方として協力。地域のお年寄りから子どもまでが集う賑やかな交流の場となりました。

このマルシェの大きな柱となっているのが「小児がん支援」です。佐知子さん自身が幼いお子さんを病気で亡くされた経験から、レモネードスタンド活動を実施しています。これはレモネードを販売し、その売り上げや募金を、遠方から治療に通う家族が一泊1,000円で滞在できる神戸市の「チャイルドケモハウス」や、兵庫県立こども病院へ寄付するものです。毎年6月はレモネードスタンド月間として、全国各地で活動が行われます。

佐知子さんたちは、市内絹山の大塚病院で600本近いレモネードを販売。寄付金と合わせて1日で約19万円もの金額を集め、レモネードの仕入額を差し引いて、兵庫県立こども病院に約13万5千円分のおもちゃを寄贈しました。

レモネードスタンド活動には、地域の高齢者の方々も参加。不用品を使ったアップサイクル品を作って、売り子としても参加する人もいて、世代を超えた交流が生まれています。また、がんで家族を亡くされた方が販売を手伝って、同じ境遇の人と語り合うなど、優しいエネルギーに満ちた活動が広がっています。

人生に転機は何度となく訪れるもの。何か新しいことを始めたい時や、立ち止まって自分を見つめ直したい時、なんとなく癒されたい時に「Heart&Body salon Sun」はそっと背中を押してくれるはずです。

 

<注意事項>

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