
JR福知山線下滝駅から西へ約1km。篠山川のほとりに建つのが「ナナフシ陶芸工房」です。駅から風景を楽しみながらのんびり歩けば15分ほど。車なら舞鶴若狭自動車道丹南篠山口ICから約20分です。“土にふれると心がうごく”という陶芸家の太附和紀(たづけ かずのり)さんに会いに「ナナフシ陶芸工房」へ伺いました。
導かれるように丹波へ

庭先で出迎えてくれた埴輪
京都市出身の和紀さん。約20年にわたり、京都陶芸大学校(京都府立陶工高等技術専門学校)で職業訓練指導員を務めていました。陶芸技術の後継者育成は楽しみのなかにも大きな重圧もあり…時には体調を崩すことも。

智子さんの手による「丹波布」のコーナーも
そんななか、2022年(令和4)、奥様の智子さんが「丹波布伝承館」の長期伝習生になったことをきっかけに単身で青垣町へ移住します。智子さんは伝習生として2年間学び、専修生としてさらに2年間、技術に磨きをかけました。

工房の窓から望む
智子さんを通して丹波市にご縁ができた和紀さんは、京都市内の自宅から機会があるごとに訪れます。豊かな自然にゆったりと流れる時間、穏やかな人々との繋がりなど、固まりそうになっていた心が徐々にほぐれてゆきました。以前から「いつかは工房を持ちたい」と考えていた太附さんは、訪れるたびに友人が増えてゆくこの丹波で工房探しを始めます。

工房の天井近くもこだわりの設え
移住者向けサイト「住まいるバンク」で、親身になって家探しを手伝ってくれるスッタフさんの協力もあり、陶芸家さんが所有している家が見つかったのです。しかしながら、先に飲食関係のお店を開く予定の方とほぼ話がまとまりかけていたのです。諦めきれず内見をさせてもらうことに。理想的な工房でした…。

窯も2基
内見から1カ月が過ぎた頃、先の方が購入を辞退されたという連絡が入ります。所有者さんからは、同じ陶芸家である和紀さん、丹波市に貢献している智子さんに引き継ぎたいと、作業場、窯、土などもそのまま譲り受け、導かれるように山南町へ移住したのは2025年(令和7)11月のことです。
時間を忘れるやきもの教室

やきもの教室も開催している「ナナフシ陶芸工房」。2026年(令和8)5月には、篠山川沿いを西へ1.5km先の「ゑにちうどん」さんの駐車場で出張陶芸体験を開催し、地元の方と手まわしロクロを使って湯呑や茶碗作りを楽しみました。

生徒さんの作品の“削り”作業中
現在は、工房で、初めての方から作陶経験者まで年齢を問わず、手ほどきをしています。「陶芸を体験するだけでなく、土の匂いや感触、器作りの体験を通して自分自身と向き合ってもらえたら」と和紀さん。楽しみながら心が整っていく場所を提供し、作り手に寄り添っています。
一人からでも体験できる「やきもの教室」のプランをご紹介しましょう。
初めての方向けの体験コース

全てはこの土から始まる
手回しロクロなどを用いて手や指先で形を作る「手びねり」という手法で、器作りの体験ができます。陶芸や工房が自分自身にあっているかを知ることができるコース。
・料金:4,000円(土・焼成代込)
ドキドキわくわくコース

作品の奥が「電動ロクロ」
初めての方から経験者まで、希望に応じてサポートしてくれるコースです。「手びねり」から、モーターの力で動くターンテーブルの上で粘土を手で成形する「電動ロクロ」、作りたい型に板状の粘土を型に押しあてたり張り合わせたりして形を作る「タタラ成形」を選びます。
・料金:6,000円+諸費用(土1kg:500円~、焼成代1個500円~)
・時間:午前の部10:00~12:30/午後の部13:30~16:00(作業時間は各120分)
だんだんドンドンコース

和紀さんの作品を目にし、創作意欲が湧く
作陶経験者からの疑問や質問に可能な限り実践で応えてくれます。「手びねり」「電動ロクロ」「タタラ成形」に加えて、そのほかの技術や技能にトライできる“本気”コース。
・料金:30,000円(全4回)+諸費用(要相談)
・時間:1日プラン10:30~15:30/午後プラン13:00~16:30(作業時間は各180分)
プライベートコース(貸切)

こんなの作ってみたい!
個人またはグループ(6名まで)で、1日思う存分楽しめるコースです。複数の成形にも対応しています。
・料金:30,000円
※いずれも焼成後、陶器の発送を希望する場合は別途配送料金がかかります。

気になる作品を見つけたらお声がけください
「ナナフシ工房」では、和紀さんの作品も購入できます。作品を眺めるだけでもOKなので、ぜひ立ち寄ってみて。
「三人展」を開催します

「三人展」に向けて
もっと気軽に作品を観たい方は、10月18日(日)から8日間、氷上町・青蓮寺で開催される「三人展」へどうぞ。当日は、ちいさな物販コーナーで、作品や「三人展」の作品の目録、小さな作品集などの購入もできます。クレジットやペイペイ、たんばコインでの購入も可能なのでふらっと立ち寄れそうです。

■太附和紀(陶工)+どら娘(画家)+渡辺顕(写真家)「三人展」
・会場:青蓮寺(兵庫県丹波市氷上町横田382)
・開催日:2026年10月18日(日)~25日(日)
・時間:11:00~16:00
・お問い合わせ:090-8149-8681(ワタナベ・カンパニー)
・URL:https://watanabecompany.com/portfolio-item/sanninten/
【アクセス】
・ウイング神姫「横田」バス停から徒歩7分
・氷上ICから南東へ車で約3分

「もの作りをして体を動かすと、思考が付いてくるんです。頭で考えて満足するのではなく、思いを行動に移せば何かができるという可能性が広がります。」と話す和紀さん、隣で頷きながら耳を傾ける智子さん。素敵な時間が流れる「ナナフシ陶芸工房」でした。
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