
舞鶴若狭自動車道丹南篠山口ICから川代恐竜街道を西へ車で約20分。山田川を挟んで常勝寺(天台宗 竹林山)の向かいに建つのが「さとやま食堂」です。自家栽培米に丹波で育つやさしい野菜をたっぷり使った、朝ごはんに昼ごはん、スイーツも楽しめると地元の人のみならず、遠方からも多くの人が訪れる人気店。調理からサービスまで一人で切り盛りしている店主の藤本倫子(ふじもとともこ)さんに会いに山南町を訪ねました。
安心な暮らしと里山を後世へ

透き通った水がサラサラと流れる川のほとりに建つ「さとやま食堂」。薪ストーブの煙突が目印です。平日の閉店間際、引き戸を開けると、奥の厨房に立つ藤本さんが「いらっしゃいませ」とカウンター越しに笑顔で迎え入れてくれました。

店内に一歩入ると、清々しい木の匂いにふわりと包まれます。木をふんだんに使った内装と調度品が並ぶ空間にほっと心がなごみます。寒い季節には薪ストーブに火が入り、やわらかな温もりが店内を満たすことでしょう。大きな窓に目をやると、季節毎に表情がかわる里山の景色が広がっています。

藤本さんが、食や暮らしを見つめ直すきっかけになったのは、子どもさんのアレルギーでした。食品だけでなく日用品など、日々の生活に欠かせないものの安全性について調べ始めました。安全なものを知れば知るほど、自身や家族だけでなく、「他の人にも伝えたい」と考えるように。ソフトに楽しく伝える手段の一つとして自然食を提供することを思いつきます。さらに、豊かな自然に恵まれ安全な野菜が育つ土地でありながら、人口減少によって荒れていく田畑を目にする度に、「のどかな里山の風景を守り、次世代へ引継ぎたい」という想いも強くなってきました。

姪っ子さんが建築図面を見て描いたイラスト
学生時代から接客や飲食系のアルバイト経験があり、いつかは自分で飲食店を開きたいと考えていた藤本さん。「いずれも子育てが終わってからでは遅い」と、行動を開始します。丹波市商工会に相談し、多くの方々の協力も受けて、のどかな景色を眺めながら、からだに優しい料理を提供する「さとやま食堂」を2026年(令和8)2月にオープンしたのです。
大人気の“昼ごはん”

連日多くのお客さんでにぎわっている「さとやま食堂」。お目当ての昼ごはん「さとやまランチ」をいただきました。ドリンク付きで1,890円です。

メインの「旬の丹波産野菜たっぷりせいろ蒸し」は、蓋を開けると同時に湯気が上がります。山南町のお肉屋さん「てらミート」の豚肉を中心に、ぐるりと取り巻く野菜がぎっしり。葉物に根菜、キノコまで、種類豊富で彩り豊かです。タレは、オーツミルクとお手製の味噌を合わせたゴマダレにポン酢と2種類用意。味変を楽しむのも良し、好みのタレを存分に楽しむのも良し。

リンゴとベビーリーフのサラダにはドレッシングはかかっていません。リンゴに味が付いているので、ベビーリーフと一緒に口に入れると、サクサク、シャキシャキ。

優しい味の酢味噌をまとったコンニャクには、木の芽と桜花の塩漬けをトッピングしてあり目でも味でも春を感じさせてくれます。ちなみに桜花の塩漬けは、藤本さんが昨年仕込んだものだそう。

肉厚の椎茸は、原木椎茸から収穫したそう。噛むとじゅわっと出てくる椎茸の汁の滋味深い味に感動です。蒸したゴボウは柔らかく、サクッとした薄揚げの食感と相まって、どんどん箸が進みます。ご飯は、藤本さんのお父さんが手塩にかけて育てたお米を炊きあげました。素材の持ち味を生かしたおかずを引き立てながらも、主役級の美味しさです。

MAGNUM COFFEEのドリップバッグは店内で購入可
食後のコーヒーは、有機栽培にこだわったコーヒー豆を厳選した丹波篠山のコーヒー専門店・MAGNUM COFFEEです。
昼ごはんは、しばらくの間「さとやまランチ」のみだそうですが、旬の野菜が散りばめられた昼ごはんなので、何度訪れても飽きることはありません。
“朝ごはん”に“お茶時間”も楽しんで

土・日曜、祝日は朝ごはんも食べられます。あったかい「せいろ蒸しパンモーニング」は、旬の丹波産自然栽培野菜たっぷり・無添加ウインナー・丹波産卵・よしだ屋さんのパンにフルーツ・ヨーグルトとドリンクがついて1,200円。

朝は“ごはんがいいな”という方は「重ね煮豚汁朝ごはん」1,200円はいかがでしょう。

「さとやまプリン・ブリュレ」460円
営業時間中は、お茶時間も楽しめます。

「季節の果物タルト」580円
デザートは食事かドリンクとセットで100円引きになるので、昼ごはんの後やほっと一息つきたいおやつ時間にもおすすめ。

ドリンクのテイクアウトもできる
桜の季節には、お花見弁当も提供していたそう。購入したお弁当箱やカップ等のゴミは、一度外に出ていただいた場合でもお店に引き取ってもらえるという嬉しいサービスも!

こだわりの珈琲や調味料などもお店で購入できるので、お土産にぜひ。販売しているお菓子は店内で食べてもOKです。

取材中、丹波市内で農薬・化学肥料不使用で野菜の栽培をしている「田山農園」から新鮮な季節野菜が届きました。「何に使おうかな」と言いながら藤本さんの目が輝きます。
地元の人の憩いの場でありながら、遠方から訪れる人も優しく包み込んでくれる「さとやま食堂」。自然食と聞くとハードルが高い気がしていましたが、安心できる旬の食材の持ち味を引き出した料理は、こんなにおいしくいただけるんだと改めて感じたひとときでした。
※原則、藤本さんが一人で切り盛りしているので、「絶対に食べたい!」場合は、公式LINEで事前予約がおすすめです。
<注意事項>
- 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
