サイズや色が選べるオリジナル畳で、快適な畳ライフを提案

株式会社 横谷

近頃は和室を作らない新築住宅やマンションが増えています。とはいえ、日本人が長年親しんできた畳は、フローリングとはひと味違う心地よさがあります。山南町に本社を置く株式会社横谷は、昔からある伝統的な畳に加えて、現代の生活にフィットしたオリジナルの畳を製造販売しています。

自由なサイズ展開で、部屋に合わせた畳をオーダー

フロアtatami・サムライカーペット

創業は1971年(昭和46)、高度経済成長のもと、次々に建つ新築住宅に和室があるのは当たり前だった時代。畳の製造と材料卸を生業としていた横谷は、主に建設業者と取り引きをしていました。しかし、ライフスタイルの欧米化によって、住まいは大きく変わりました。

2014年(平成26)現社長の香良昌宏氏に事業承継してから、畳の需要が減っていくことに危機感をもち、オリジナル商品の開発、インターネット通販など、新たな取り組みを始めました。

組み合わせによって市松模様に

そんな中でヒットしているのが、「フロアtatami・サムライカーペット」です。フローリングの上に置くだけ、へりなしの正方形(半畳)、一般的に琉球畳と呼ばれるサイズです。一辺が60~90cmまでの間で、1cmきざみでサイズを指定できることから、柱がある部屋でも自在に畳を組み合わせることができます。

へりなしの畳という点でファッション性にも優れていることから、色の組み合わせでおしゃれ感を出したり、子どものお昼寝や遊ぶスペースとしても重宝されています。畳の厚みは15~60mmで、床暖房に対応している商品もあります。

細部まで好みを反映できるのは、メーカーならではの強み

50品種もある畳おもての数、その多さは、材料メーカーと長年直取引をしてきた実績によるものです。製品には畳メーカーとして積み重ねたノウハウが細部まで生かされています。芯となる木質ボードの上にクッション材を置き、その上に畳おもてを接着して足にやさしく。ボードの下には滑り止めを装着して、フローリングでも安全なように仕上げています。

畳おもての素材は糸状の和紙や天然無機素材にPP加工をするなど、生活防水にも配慮。水洗いできる置き畳は、キッズスペースに使う場合やペットがいる家に重宝されています。

企画から製造・販売まで自社工場でできる強味

香良昌宏社長

「丹波市を置き畳の生産量日本一にしたい」と意気込みを見せる香良社長は、東京の展示会に出展するなど、日本中を飛び回ってオリジナルの畳をPRしています。前述のように社長に就任してから、ネット通販に力を入れて、直販の顧客を増やしました。身近に畳屋がない現代、ユーザーにとっても、わざわざ建築業者に相談するのは敷居が高いもの。ネットで試しに一つ買って、使い心地を確認してからまとめて注文する人が多いようです。

経営理念を書いたプレートにも畳が使われている

香良さんの行動の基本となるのは経営理念である「三和の精神」、和を親しみ、和を感じる、和を伝える、ということ。そこには「くつろぎ」という大きなテーマがあります。

コロナ禍の中でも、じわじわと注文は入ってきているそうです。家にいる時間が長くなって、居心地の良さが求められている証なのでしょう。

工場では畳職人が技術を発揮

自社工場では職人さんたちが、様々な作業を分担して行っています。機械化できないところ、たとえば繊細な作業が必要な裁断や縫製は手作業で行います。

アイデアが光る畳まわりの素材で作るおしゃれな小物たち

新しいことへの挑戦をいとわない横谷の社風から、女性スタッフのアイデアも次々にカタチになっています。なかでも畳の周りにつける「へり」の半端ものを使った小物はとってもキュート。

テープ状のへりをつないで1枚の布にし、縫製してポーチやバックなどに仕上げます。

畳のへりの柄は和風ばかりかと思いきや、リボンや動物など、洋風だったりモダンだったり、個性的なものがそろっています。今大流行の、あのアニメのキャラクターが着ている羽織に似た市松模様もあって、あっという間に売れてしまうそうです。ネットで買えますが、地元の人は横谷本社に来て実際に手にとって選ぶのもアリですね。

ミニ畳の台やコースターなどは、和モダンな部屋にも合い、趣味の小物を飾っても素敵です。

畳のへりは1mごとに切り売りされているので、少しずつ買い求めることができます。また、本社には手作り工房を設け、購入者はここにあるミシンで作業することもできます。コロナ禍でまだ準備中ですが、今後、手作りが好きな人の情報交換の場としても活用される予定です。

洋室に使いやすいオリジナルの畳のほかに、今使っている畳の新調、畳おもて替え、畳裏返しなども、もちろんお手のもの。畳を上手に取り入れて、快適な部屋を作りましょう。

 

<注意事項>

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