丹波地鶏のおいしい焼き鳥をいただくなら、柏原町の「やきとり まえだ」へ。夕方になるとあたりに漂う炭火の香りに誘われて、のれんをくぐる仕事帰りや家族連れの人が後を絶たない人気の焼き鳥屋さんです。そんな「まえだ」のこだわりやおすすめメニューをご紹介。
老舗店で修業後、常連客に後押しされ独立
気さくな店主、前田利夫さん
店主の前田利夫さんがこの店をオープンしたのは1994年（平成6）。同じ柏原町にあった「やきとり あしだ」で8年ほど修業を積み独立しました。最初はそんなつもりはなかったという前田さんですが、働くうちに常連さんが応援してくれるようになり、あしだのマスターにも背中を押されて「これならできる」と一歩を踏み出しました。
メニューに並ぶ選び抜かれた逸品たち
ベストな焼き加減で提供される串
以前の店で体得した技術や味を守りながら、自分らしい工夫を加えてきた前田さん。常に頭の中は新しいメニュー案でいっぱいだと言います。様々なジャンルの外食先を訪れたり、テイクアウトメニューを見てもそれをヒントにアイデアが浮かび、「気がつくと料理のことを考えている」そうです。
しかし、実際にメニュー化するまでには、お客様に受け入れられる味かどうか、タイミングよく提供できるかなど、試行錯誤が重ねられます。
26年愛される定番メニューも
創業当時から変わらず、長年愛されている定番商品もたくさんあります。常連さんにとっての「いつもの味」はかけがえのないもの。「やきとり まえだ」のこの味が食べたい、と暖簾をくぐる人も多いのです。
「まえだ」で注文するならコレ！
焼きとり盛合せ660円（税別）
そんな豊富なメニューの中から、いくつかおすすめを紹介したいと思います。使用するのは、地元の業者から仕入れる新鮮な鶏肉。いずれも鮮度は抜群ですが、前田さんが「一番人気」と胸を張るのは「かわ」。じっくり焼いて脂分を落としたかわはあっさりした味わい。どんな人でも食べやすいのが人気の理由で、何本でもいけそう。
また、にんにくを効かせたもものタレ焼き「スタミナ焼」は、お酒によく合う一品です。
丹波地鶏を味わうなら、「丹波地どりもも焼」で。生後60日ほどの地鶏をシンプルに塩焼きにしたもので、地鶏の濃い味としっかりとした肉の弾力を十二分に楽しめます。
アイデアやリクエストを反映した絶品の数々
もも肉みぞれかけ450円（税別）
「もも肉みぞれかけ」は、前田さんが外食時に魚料理で味わったおいしさを鶏肉で再現したアレンジメニュー。ジューシーなもも肉を、大根おろしでさっぱりといただきます。最近では、お客様からのリクエストが多い「ひねどり」のメニュー化を考え中。引き締まった肉質としっかりした味を活かし、ポン酢と合わせた「ひねポン」が目下のところ新メニュー候補です。
雑味のない揚げ物の秘密は油にあり
ずりチップ330円（税別）
ファンが多いからあげ500円（税別）
揚げ物も外せません。よそではあまり見かけない「ずりチップ」は、ズリを捌く際に出る皮の部分をカラッと揚げたものでおつまみにぴったり。「からあげ」は、一人一人前注文する家族もいるほど熱烈なファンを持ち、前田さんもイチオシする一品。おいしさの秘密は、「鶏肉しか揚げていない油で作るので雑味が少ない」ことだそう。
26年分の味が凝縮され進化を続ける「タレ」
継ぎ足しを重ねて味が深まったタレ
どれもおすすめしたいメニューばかりですが、忘れてはいけないのが「タレ」の存在です。創業前から仕込んでいたタレは、その後26年間継ぎ足しを重ねて現在に至ります。さらに、季節によって配合を変えており、ごくわずかですが夏は辛め、冬は甘めに仕上げているそう。職人技と呼べるこだわりです。
柔らかい灯りがともる店内
受け継がれているのはタレだけではありません。創業当初、親に連れられて食べに来ていた子どもたちが、大人になって結婚し、今度は我が子を連れて来店してくれる。そんな光景が「まえだ」ではよくあります。それぞれの家族の中で受け継がれている「まえだ愛」があるなんて、素敵ですよね。
のれんの字は娘さんの書
前田さん自身も、家族愛に溢れた人です。こうしてお店を続けられるのは「奥さんのおかげ」と照れながら話し、のれんには娘さんが書いた「まえだ」の文字を使っています。この店で味わう焼き鳥がしみじみおいしく感じられるのは、きっとそんな背景もあるからでしょう。アットホームな焼き鳥屋さんで、温かい時間を過ごしてみては。
＜注意事項＞
- 新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、店内でのマスク着用、手指の消毒、ソーシャルディスタンス等に配慮しています。ご協力をお願いいたします。
- 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。