山間の古民家に泊まって五感をリフレッシュ!

古民家ゲストハウス やまんなか

写真提供:柳川雅宏

市島町の戸平トンネルを抜けた山間の地にあるゲストハウス「やまんなか」は、その名のとおり山の中の数件の集落にあります。民泊を始めて4年、コロナ禍と重なってスタートの4カ月は宿泊客募集に苦戦したそうですが、airbnbへの登録後は、じわじわとお客さんが増えている状態です。1日1組、4人までの一棟貸し古民家を訪ねました。

茅葺きの古民家との出合い

写真提供:柳川雅宏

オーナーの柳川雅宏さんは、元々は大阪で活躍していた商業カメラマンです。撮影用の古民家を探していた際、売りに出ていた古民家を気に入って、ロケーションハウスとして使うために購入。「ネットで見つけて見に来た時に一目惚れしました。いつ建てられたのか古いことはわかりませんが、120年は経っているようです。別荘として所有者が何代か変わっていたもので、きれいに使われていました。福知山までは車ですぐ、舞鶴や天橋立、伊根にも1時間ほどで行けます」と柳川さん。

「やまんなか」というネーミングは友達が放った一言からでした。実は、かなりおしゃれな横文字の名前を考えていたそうですが、覚えられない、茅葺き屋根の家に合わない、山の中だし、と指摘されて、そのまま「やまんなか」という名前になりました。周りにあるのは3軒だけの静かな集落。目の前を流れる川の水音や鳥の鳴き声が心地よい静かな環境です。

風情ある純日本家屋

ガラガラと引き戸を開けて玄関を入ると昔ながらの土間にソファーと薪ストーブがあります。薪ストーブに火が入ると、家じゅうがやわらかなぬくもりに満たされ、寒い冬でも心地よいのです。エアコンとは違う、薪のあたたかさ、ゆらゆらと揺れる炎に癒やされて、夜遅くまでこの場所ですごす宿泊者もいるそうです。冬場は他にヒーターやホームごたつも使えます。

写真提供:柳川雅宏

部屋は昔の日本の民家に見られる田の字型の間取りで、畳の間が2部屋、板の間が2部屋です。木とアイアンを使ったテーブルやオブジェはオーナーが趣味で作った作品ですが、趣味というには本格的で、時々注文があるほどの腕前です。

ふと窓を見ると、今はもう作ることができない昔のガラスが使われていました。緻密な模様がとても美しいです。そういえば、雪見窓がある家は、今ではめずらしくなってしまいましたね。

誰が描いたものかわかりませんが、すりガラスの絵にも目を惹かれました。部屋にあるアンティークの家具は、不要になったものをもらってきたそうで、趣のあるそれらをうまく組み合わせて、とってもおしゃれです。

写真提供:柳川雅宏

一棟貸しなので、どの部屋に布団を敷いて寝てもOK。オーナーは別棟にいるので、何かあった時にも安心です。浴室と洗面はオーナーと共有ですが、車で10分の場所には草山温泉、20分の場所に福知山温泉があるので、温泉を楽しむのもいいかも。
※福知山温泉は割引券あり

囲炉裏を囲んで思い出に残る夕食を

写真提供:柳川雅宏

キッチンもあるので自炊や持ち込みも可能ですが、とことんゆっくりしたい場合は、2名分から要予約で食事も注文できます。メニューは、夏なら庭で楽しむ炭火焼きバーベキュー。冬なら囲炉裏で作る鍋料理と炉端焼きです。鍋は、塩ちゃんこ、豚しゃぶ、赤味噌で煮込むぼたん鍋があります。

■食事メニュー(価格は1人前、注文は2人前から)
・朝食:洋食(パン、コーヒーなど) 550円
・夕食:鍋料理 3,500円、ぼたん鍋 5,500円
・バーベキュー 4,000円

宿泊客の層は幅広く、ファミリーやグループ、中には一人で来る人もいるようです。女性が一人でのんびりと滞在したり、大学生が合宿のように使ったり、海外から訪れる人も増えています。若い世代は、昔ながらの民家が珍しく、初めての体験を楽しんでいるとか。山に囲まれているので、夜は真っ暗で、天の川がくっきりと見えるほど星空が美しいのです。初夏にはホタルの乱舞が見られ、鹿やキツネを見かけることもあって、都会からの人にはとても新鮮な環境です。

写真提供:柳川雅宏

山間部なので夏でも夜は涼しく、窓を開け放てば自然の風が家の中を通り抜け、四季折々の香りを感じさせてくれます。雨が降れば竹製の鎖樋(くさりとい)がカラカラと音を立てて雨水を流し、目の前の川の流れる音にも癒やされます。

縁側に座って読書をしたり、景色を眺めたり、座敷で寝転がったり、五感にたっぷりのパワーを与えてくれる「やまんなか」。「上げ膳据え膳のホテルや旅館に泊まる旅ではなく、田舎の山の中で、自然とともに過ごす時間を楽しんでほしい」と柳川さん。

■一棟貸切宿泊料(素泊まり)
・2名の場合 平日 15,000円/休日 20,000円
・3名の場合 平日 20,000円/休日 25,000円
・4名の場合 平日 25,000円/休日 30,000円
チェックイン15:00、チェックアウト10:00

柳川さんはカメラマンだけあって、近隣の美しいスポットをご存知です。黒井城の雲海を撮影された写真、とてもきれいでした。現在、となりの建物でカフェをオープンする準備中です。やまんなかの新スポットとして、こちらも待ち遠しいものです。

 

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