丹波のお店とお客さんをつなぐ架け橋 にじいろタブレット

見えと聞こえに不安を感じたら相談してみよう!

アオクラ

創業から90年近い時を刻んでいる青垣町佐治の「アオクラ」は、眼鏡と補聴器の専門店です。初代は時計の修理からスタートし、2代目が眼鏡を扱い、現在は3代目の青倉克哉さんが「見えと聞こえのよろず相談所」として、地域密着で営業しています。今や近眼や老眼は国民的な問題です。自分に合ったレンズを調整してもらうのはもちろん、流行のおしゃれ眼鏡や一流ブランドの眼鏡が並ぶ店内は、選ぶ楽しみも満載です。

最新式の検眼機を使って検査

青倉さんは、かつて大阪と東京でビジネスマンとしてBtoBの仕事をしていましたが、家業の店を継ごうと決めて、転職して専門店で修業。その後、生まれ育った青垣に戻りました。「大きな金額を扱う都会でのサラリーマン時代も楽しかったのですが、直接目の前のお客さんに接して、地域の人の役に立てている実感がある今の仕事が楽しくてやりがいがあります」とのこと。

青倉さんは、アメリカ式の「21」という検査方法を導入して、15~20分ほどかけて、しっかりと両眼視機能検査を行います。見え方の悩みは人それぞれ違いますし、生活スタイルによってどんな眼鏡が必要なのか、専門家ならではのアドバイスをしていきます。
「のんびりした町ですから、ゆっくり話を聞いて、その人の生活の質(QOL/クオリティ・オブ・ライフ)が上がるように、快適に過ごせるように提案します」と、ご近所だからこそのコミュニケーションも大切にしています。

「よろず相談所」と銘打っているのも、気軽に立ち寄ってもらえるようにとの思いから。たしかに、見えにくい、聞こえにくいという症状は、徐々に進むために体が慣れてしまって、対応が遅れがちです。ネットでなんでも調べられるといっても、体のことは素人判断はよくありませんね。

筆者は左右の視力に差があって、とっても疲れやすいのです。そんな話をしたところ、「両目でモノが立体的に見えるようになっているので、左右の視力が大きく違うとピントをあわせるのに時間がかかって筋肉が疲労します。眼鏡でその疲労をやわらげるように調節できますよ」と教えていただきました。自分に合った眼鏡によって、すぐに焦点が合うので疲れにくいのだそうです。これが、レンズにプリズムを入れるプリズム処方といわれるもので、近視、遠視、乱視にかかわらず使えるのです。視力に問題がなく、度を入れる必要がなくても疲れ目が気になる人は相談してもいいかも。

パソコン作業が多い人に、ブルーライトカット眼鏡は必須。光の残像がなくなるから目が疲れにくいんです。さらに進化した目にやさしいブルーライトカットレンズ「SEIKOフロンティア」も扱っています。

多彩なフレームから選べる

青倉さんは、阪神間の眼鏡店とグループを組んで、3カ月に1回、共同仕入れをしているため、トレンドを取り入れたものが入ってきます。流行りの大きめフレームも充実しているし、ハイブランドのものではグッチを仕入れたこともあるそうですが、既に売り切れていました。アウトレットの品では「モンクレール」、並行輸入品の「トムフォード」や「フィラ」もありました。

あの有名な学者さんが先駆けとなった左右違う形のフレームも発見。

テンプル(つる)が簡単に交換できるフランス製のフレーム。洋服や出かけるシーンに合わせてテンプルのデザインや色を変えられるとおしゃれな人に人気です。

補聴器は早めの装着がおすすめ

高齢化社会になって聞こえの悩みはよく耳にしますが、一人暮らしなどで本人が気付かない場合も多く、知らず知らずのうちに進行してしまうこともあるようです。年齢とともに高い音が聞こえなくなるのは自然なことですが、聞こえにくいのを放っておくと認知症につながるという話もあります。

また、補聴器を使うことを躊躇する人もいますが、今は充電式で耳の中に入れるものや耳にかけるものなど、さまざまなタイプがあります。「ワイヤレスで音楽を聞く若い世代も増えているため、以前よりは人目を気にしなくなっていますよ」と青倉さんは、聞こえが悪くなったら早めの装着をすすめています。

「聞き間違いが増えたり、『さしすせそ』が聞こえにくくなったりしたら『あれっ?』と思ってほしい」と、青倉さんは年に1回くらいの聴力検査をすすめています。病院に行くのがおっくうなら、「アオクラ」で自分がどの程度まで聞こえているのかを無料で調べてもらえます。

「買うことが前提ではないので、健康診断だと思って気軽に立ち寄ってください。QOLが下がると楽しくないでしょう。人生100年時代は、快適に毎日を過ごせてこそです。補聴器は70歳くらいから装着する人が増えますが、少しずつ聞こえが悪くなって、その静かな状況に慣れてしまうと、装着した時に急に音が大きく感じてしまいます。聞こえが悪くなったら早めにつけたほうがいいですよ」とアドバイス。ちなみに、補聴器に関しては、自宅や施設への出張検査も行っています。

地域イベント、「佐治福よせ雛」の期間、店頭に飾られた雛人形の眼鏡は青倉さんの自作。「昔の青垣は商店も多く、車も人もいっぱいで賑やかでした。今はずいぶん静かになりましたが、学生さんたちがフィールドワークでこういうイベントを仕掛けてくれるのはうれしいですね」と、若い世代の活躍を応援されていました。
地域密着の「見えと聞こえの相談所」、気になったら気軽に足を運んでみてはいかがでしょう。

 

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