丹波のお店とお客さんをつなぐ架け橋 にじいろタブレット

地域のつどい場のような温かい雰囲気の駄菓子屋さん

駄菓子屋ぶんさん

駄菓子屋さんで商品を選ぶ時って、子どもじゃなくてもワクワクしますよね。子どもたちはお小遣いを握りしめて、値段を計算しながら買う楽しさもあります。また高齢者は日用品やお菓子を買いに行くだけでなく、ちょっとしたおしゃべりも楽しみに訪れます。「駄菓子屋ぶんさん」は、そんな地域のつどい場のような温かさがあるお店です。

村の中ではなくてはならないコンビニのようなお店

丹波市立西小学校からすぐの場所にあるお店

「駄菓子屋ぶんさん」は、「本庄商店」として、現店主の本庄義文さんの曽祖父である文吉(ぶんきち)さんが明治時代に創業しました。当時は、離れ座敷があるような大きな料理屋だったそうですが、2代目の祖父・文治(ぶんじ)さんの代になって、日用品や文房具、食品、一部生鮮品も扱う、今でいうコンビニエンスストアのような形態に変わったそうです。

3代目になって、少し縮小し、日用品、乾物、お菓子、文房具という形になり、4代目の現在は文房具の扱いをやめ、駄菓子を中心としたお菓子と飲み物、パン、タバコなどを扱うお店へと、少しずつ変わっていきました。

店主の本庄義文さんと敦子さん

「うちの店を仕切るのは女性なんです。2代目の文治さんの奥さんであるおばあちゃん、3代目の親父も勤め人だったので、母が店を切り盛りしていました。私も会社勤めをしていたので、妻が店を担当してくれていました」と義文さんは話します。3年前に退職して店にいることが多くなったそうですが、メインで店に立っているのは妻の敦子さんです。

お母さんが店をやっていたときはお客さんも多く、6時半から21時まで営業し、元日だけが休業日だったというから、村の中ではなくてはならない存在だったのでしょうね。地元では、昔から「ぶんさんとこ」という名前で通っていて、誰も本庄商店とは呼ばないとか。「すぐ近くの小学校でも、“ぶんさんとこに忘れ物がありました”と校内放送するくらい。ずっとそう呼ばれてきました」と笑います。

店内には駄菓子だけでなくパンやカップラーメンも

多くの種類の駄菓子が並ぶ

大きな価格表示がわかりやすい

こぢんまりとした店内には、多くの種類の駄菓子が並んでいます。ちょうど子どもの目線に合わせて商品が置かれていて、金額表示もわかりやすく工夫されています。駄菓子って、子どもたちは大好きだし、大人も子どもの頃に返ったみたいな気分になって、無性に懐かしくなりますよね。遠足の前に値段を計算しながら買ったことを思い出したりして。

パンやカップラーメンなども置く

近所の子どもたちと高齢者の利用が一番多いそうですが、すぐ近くの西小学校にスポーツ少年団の送迎をする親子や、わざわざ駄菓子を買いに来る若い男性、農作業の合間にパンや飲み物を買いに来る人などもいます。

子ども用の小さなカゴも用意

「村の中には、子どもたちが徒歩か自転車で買いに行けるような店がないんです。スーパーまでは車でいかないといけないし。スーパーのお菓子売り場にも駄菓子コーナーはありますが、種類としてはうちの方が多いと思います。休日に家族で来てまとめ買いする方もいるんですよ」と義文さん。敦子さんは「ご近所のおばあちゃんは、椅子に座ってゆっくりしていかれます。身の上相談や愚痴を聞いたりすることもあります」と話します。

一番大変なのは商品管理。これだけの種類があると、消費期限のチェックも大変です。いろいろな商品を縮小して昔の4分の1程度になったので、ずいぶん楽になったそうですが、それでも細かい作業であることには変わりありません。

お菓子の袋詰めにも対応

ポテトフライ各45円、蒲焼さん太郎18円、ビッグカツ45円、クッピーラムネ35円など

人気のラインナップをうかがいました。
ポテトフライは、「フライドチキン味」「カルビ焼の味」「じゃが塩バター」と3種類あってどれも人気。ロングセラーの「クッピーラムネ」は今でも定番の売れ筋商品です。「蒲焼さん太郎」や「ビッグカツ」など、おつまみになりそうな一品もよくでるとか。

菓子袋300円~

お菓子の袋詰めにも対応しています。子ども会や老人会、スポーツ少年団のほか、お祭りやピアノなどの各種教室といった利用が多く、予算に応じて袋に詰めます(300円~)。
ピアノ教室ならピアノのイラスト、野球少年団ならボールとグローブなど、沿えるカードがオーダー主や季節に合ったイラスト入りなのも「ぶんさんとこ」ならではです。

今も昔も村の人たちの生活に密着

西小学校の体操服や帽子も扱う

すぐ近くの丹波市立西小学校の体操服や帽子の取次店でもあり、村の人にとっては、なくなると困る店です。
また丹波市指定のゴミ袋も扱っていて、今も昔も村の人たちの生活に密着しています。

「昔からお店に通ってくれていた子が、初めて就職して出張に行ったときに、うちにもおみやげを持ってきてくれた時はうれしかったですね。また、“おまけしてくれてうれしかった”という内容の手紙をもらったこともありました」と敦子さん。子どもの時によく通ったお店や、そのお店の思い出は、大人になってもなかなか忘れられない大切な宝物みたいなもの。「ぶんさんとこ」は、昔も今も、思い出すと温かい気持ちになれる、そんな存在のお店です。

 

<注意事項>

  • 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。