
近年、2本のポールを使ってウォーキングする人を見かけるようになりました。これは「ノルディックウォーキング」といって、足腰への負担を軽減して歩ける、からだにやさしい健康法です。体に無理なく始められるため、幅広い世代に愛好されています。丹波市を拠点に広範囲で活動するインストラクター・余田幸美さんは、そんなノルディックウォーキングの魅力を多くの人に伝えています。今回は、私も実際に一緒に歩きながら、お話を伺いました。
ノルディックとの出会い

ノルディックウォーキングとの出会いは、友達の「ノルディックウォーキングをやってみたい」というひとことでした。当時は体験できる機会が少なかったのですが、たまたまスポーツ用品店で、丹波市で講習会が開かれるという情報を入手。残念ながら誘ってくれた友達は参加できませんでしたが、余田さんは一人で参加。そこで出会ったのが、ノルディックウォーキングを広めたいと活動していた藤川真司さん。3人から始まった小さな教室で、ポールを使って歩くという新しい体験にワクワクしたのを、15年経った今でも覚えているそうです。
しばらくして、藤川さんから「インストラクターを目指してみないか」と声をかけられました。どちらかというと引っ込み思案で、「人前に立って教えるなんて…」と、戸惑いつつも流れに身を任せるような形で一歩を踏み出します。やってみると次第に慣れてきて、そしてインストラクターの資格を取得。「振り返ってみれば、あの時勇気を出して踏み出した一歩が今の活動につながっています」と余田さん。
歩く楽しさと自然を感じられるのが魅力

ノルディックウォーキングの魅力は、なんといっても「歩くことの楽しさを再発見できること」だと余田さん。歩くスピードはゆったりなので、周りの景色をじっくり楽しめるのが特徴です。春には桜、夏には青々とした山や草木、秋には色とりどりの紅葉など、四季折々の自然を五感で感じることができます。特に印象に残っているのは、柿の葉の色。子どもの頃から見ている柿の葉なのに、1枚の葉に赤や黄色、緑が混ざり合っていた、その美しさに見とれてしまったそうです。

一緒に歩いてみて気づいたこと。ポールを使って歩くことで自然に背筋が伸びて姿勢が良くなり、歩幅も広がります。無理に頑張るのではなく、体の力を抜いて歩けるのがノルディックウォーキングのいいところなんですね。余田さんも「普段の姿勢が変わったのが、私の一番大きな変化でした」と言われます。
余田さんは、ノルディックウォーキングの7kmタイムトライアルとフォーム審査の総合競技で五連覇を達成し、殿堂入りしたという実績を持つ人。「負けたくない」と挑戦するのも、楽しさのひとつだったそうですが、今はあくまでも楽しみながら健康に、そして美しく歩くがモットーです。
ノルディックイベントで、プラスアルファの楽しさを

余田さんは、自身でノルディックウォーキングのセミナーやイベントも企画しています。現在は神戸や三田、そして地元丹波で定期的にレッスンやウォーキングイベントを開催。中でも人気なのが、自然散策や収穫体験と組み合わせたノルディックです。

春は黒井川の桜並木を歩く「桜ウォーク」、夏は「奥丹波ブルーベリー農園」の広大な農園で「ブルーベリー狩りウォーク」、秋には市島町・丹波たかみ農場での「黒枝豆収穫ウォーキング」など、地元の魅力を満喫できる内容ばかりです。丹波の飲食店を利用したり、お弁当付きだったり、ランチ付きのイベントはひときわ人気だそう。
初海外でショーモデルに挑戦

ノルディックを通じて前向きになった余田さんのもとに、思いがけない話が舞い込みました。友人に誘われて訪れたブティックのデザイナーが、マレーシアのファッションショーに出演することになり、そのショーで「ランウェイを歩いてみませんか?」と声をかけられたのです。
最初は驚きと「自分には無理」という気持ちが入り混じっていたそうですが、「知らない世界を見てみたい」という思いが勝り、参加を決意。モデルウォーキングの練習が始まりました。ノルディックとは異なり、服を美しく見せる歩き方、しかも足元はスニーカーではなく8cmのヒール。トレーナーからのダメ出しに、鏡のあるレッスンスタジオを借りて一人で懸命に練習したそうです。

初めての海外渡航ということで不安もありましたが、息子さん夫婦が同行してくれたことが大きな支えになりました。ショー当日は、ヘアメイクやスタイリスト、カメラマン、それぞれのプロの仕事ぶりに大きな刺激を受けたとのこと。「やってみて本当によかった」と、挑戦の先にあった達成感を語ってくれました。
美しく歩く!を伝える

余田さんがノルディックウォーキングを通じて伝えたいのは、「健康で美しく歩くこと」。テーマは「Health, Enjoy, Beauty」。着飾るのではなく、自然な姿勢や呼吸を通して、自分らしい美しさを磨くことを目指しています。「ノルディックを続けていると、自然とそうなれるんです」。

ノルディックウォーキングに必要なのは、動きやすい服装と歩きやすい靴。そして両手にポールを持つので、荷物はリュックサック等に入れます。ポールについては、最初から購入せず、まずは貸し出し用のものを使ってみて、自分に合ったものを選ぶのが安心です。もちろん、選び方についても丁寧なアドバイスがもらえます。
■「神戸レッスン」
・レッスン日:第2・4水曜
・時間:10:30~11:30(元町ツインポールエクササイズ)/13:30~ 90分~120分(みなとのもり公園 美.up! ノルディックウォーキング)
おしゃれな神戸の町や自然の中で体を動かしながら、心身ともにリフレッシュできるひとときです。その他の場所でのレッスンは、Instagramまたは公式Lineで随時更新。
さらに、11月からは新たに3カ月集中講座がスタートする予定。正しい呼吸法と歩き方の両方を身につけることを目的とした内容で、呼吸によって横隔膜や骨盤底筋などのインナーユニットを鍛え、健康にもつながるとか…。オンラインと実技のハイブリッド形式で進められ、最終回は丹波でのリトリートと修了式が予定されています。日常生活にすぐに生かせそうな講座に注目です。
2本のポールを軽く握って地面をとらえると、楽に歩けることにびっくり!おしゃべりしながら、景色を見ながら、あっというまに時間が経ちました。普段運動不足なので、心身ともにスッキリした心地よさに大満足です。
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