築150年の民家で 十割そばを提供します

そば処 鴨の庄

都会の喧騒を離れ、静かな山里で贅沢な時間をすごしてみませんか。こんな紹介をしたくなる『そば処鴨の庄』は丹波市市島町に開店して7年目。店主の日野智人(ともひと)さんが打つ十割手打ちそばと、のど越しのよい二八そば。そして、素材にこだわり、旬が香る野菜の天ぷらなどを提供しています。お店を訪ね、日野さんに料理の工夫や特色あるメニューについてお聞きしました。

うまみのある出汁で味わう

メインの十割そばは太くて腰がある

メインの十割そばは、三重県産の「常盤秋蕎麦」、出汁は多可町の老舗、足立醸造の黒大豆醤油を使っています。旨みが特徴で、丹波篠山産の黒大豆を使っています。つなぎに小麦粉を入れない十割そば(800円)は太くて腰のあるしっかりしたそば本来の味を堪能できます。ざるそばに向いており、そば通におすすめです。二八そばはのど越しがよく、温かいそばに適しています。

お得な盛りそばセット

盛りそばセットは、十割そばか二八そばのどちらか一つに、「野菜のそば粉天ぷら」「もみじ(鹿肉)塩胡椒焼き」「出汁巻き」「蕎麦がき」の4品(単品のみ各300円)のうち一品が付きます。

そば屋さんらしいそば粉の天ぷらは、パリッとした歯ごたえが特色で、鹿肉の焼き物も市内氷上町の姫もみじから仕入れた地元の天然物。低カロリーで鉄分が多いヘルシーメニューとして、女性客を中心に人気があります。蕎麦がきは近くの山本農園で収穫したそば粉を使用しています。セットメニューは1000円(十割そば)800円(二八そば)とお手頃。

季節の味をふんだんに盛り込んだおまかせコースはドキドキ感満載

季節ごとの旬な素材をふんだんに使ったおまかせコース

修業時代から温めていたメニューが季節のおまかせコース。春先のメニューは鹿肉、野菜炒め、出し巻き玉子、小かぶ甘酢漬け、菜の花お浸し。創作そばとして、鴨南蛮つけそば、そば粉の天ぷらやそば寿司、十割盛りそば(白葱、岩塩、辛味大根鬼おろし)といった蕎麦も楽しめます。さらに、デザートにはっさく蜂蜜かけが付いて2000円ととても得なコースです。

季節によって揚げ物や天ぷらの素材を変え、梅雨の時期には「トマトの甘酢漬け」、秋には「柿」や市島町神池(みけ)産の「蕎麦がき」などを添えるなど、地元産の素材が中心。秋まつりの頃には新鮮な日本海産の鯖棒寿司も提供します。季節によって何が飛び出すかドキドキ感がたまりません。

そば打ち名人に師事して脱サラでお店をオープン

日野さんは伊丹市にあった自動車部品製造メーカーに勤務していた時、阪神淡路大震災に遭遇。その後、同工場は閉鎖し、市島工場に転勤となりました。もともと料理が好きだった日野さんは発起し、2005年から10年間、丹波市内の日本料理店で修業を積み、2014年に独立しました。

料理のなかでもそばに興味を持ち、休日には色んなそば屋さんに足を運んだそう。そうしたなかで、出会ったのがそば打ち名人の佐藤勉さんでした。佐藤さんが脱サラして丹波市内に開いていたそば店のスタッフとして修業し、そばを四角に延ばす角出し、江戸打ちといった技術を覚え、佐藤さんのアドバイスを受けながら、オープンしました。

昔の民家の雰囲気が残る静かで落ち着いた店内

昔ながらの丹波の風情が残る店周辺。春はウグイスなどの鳥の声を聞き、ゆったりとした気分に浸りながら、郷土料理が堪能できます。お客さんは一度に10人程度を限度にしており、昔ながらの田舎の家で、くつろげます。「奥まったところなので、場所が分かりにくいかもしれませんが、静かで落ち着くといった声をお聞きします」と日野さん。

色々なお店のメニューをヒントにしているそうで、オープンから6年が経ち、リピーターも増えてきました。一人で店を切り盛りしているので、無理はできませんが、もう少しメニューを増やしていきたいという希望を持っているそうです。

※注・文中の価格は税込みです。

※兵庫県新型コロナウイルス対策追跡システムを導入しており、マスクの着用、検温、消毒に協力をいただいております。