
その屋号の通り、草刈はもちろん、剪定作業やお墓の掃除から樹木の伐採まで幅広く手がける「たんば草苅屋」の寺村敬志さん。草刈歴35年という実績と経験だけでなく、草刈をこよなく愛しています。その背景にはSDGsの理念と、それに基づいた環境保全への強い想いがあります。
公共事業や法人契約なども担う、地域に根ざす草刈歴35年

いろいろな道具を駆使して草刈を行う
寺村敬志さんが、草刈・剪定作業をする「たんば草苅屋」として屋号を掲げたのは、2025年(令和7)7月のこと。開業したのは最近ですが、寺村さんと「草刈」とのご縁は、30年以上も前に遡ります。まず、地元谷川集落で農地や私有地の草刈を通じて地域の景観と財産を守る活動を長年継続してきました。
丹波で恐竜化石の発掘調査が始まったのが2007年(平成19)。寺村さんはその年から、地域活性化の一環として、2人の仲間と一緒に「寺古屋」を始めました。そこでは、特産品販売やイベントを運営。恐竜グッズやTシャツも扱っていたそうです。自らホームページ「丹波竜の館」やEショップを開設し、丹波の魅力を発信する取り組みにも力を注ぎました。その後「丹波市観光協会」の理事に就任し、協会の一般社団法人化に関わったそう。そこでは「地域の自然環境や景観を守り活気のある町にしたい」と、恐竜が住んでいた場所にふさわしい自然豊かな町づくりをめざして活動していました。その傍ら、国の農地緑化事業にも参加し、約10年間にわたり地元の農地の草刈や緑化業務を継続。地元を代表する福祉施設との契約による定期草刈の実績もあり、寺村さんのライフワークの一つとして、常に「草刈」があったのです。
◇主な活動(エコグリーン関連)◇
・「たんば草苅屋」 エコグリーンサービス
・多面的機能支払交付金「谷川水土里協議会」草刈、景観作物の育成
・「谷川土地改良区」草刈他
・丹波市シルバー人材センター登録(剪定班)
・「丹波の山守隊」樹木間伐活動
・妙見富士GC コース管理全般
・「水土里 草刈研究所」草木花と草刈の研究
・蔓対策委員会〜Team of Weeds Busters
◇その他地域活動◇
・空き家対策委員会〜「寺古屋」
・丹波結婚相談所〜NAKOUDO TAMBA
・【PayPay】たんば利用促進協議会
◇保有資格◇
・刈機取扱作業者安全衛生教育
・フォークリフト運転技能
・安全衛生推進者 要請講習
・高圧ガス製造保安責任者(特丙)

寺村さんの草刈パートナー
寺村さんは、新卒で地元企業に入社し、ものづくりの現場から経理・総務・人事、安全衛生、IT関連、購買まで幅広い業務を担ってきました。ところが40代で体調を崩し、20年間勤めた会社を退社せざるを得なくなりました。「当時はストレスに負けましたね。元々は小さい頃からコツコツと仕事をするのが好きでした。現在のように朝日を浴びながら黙々と身体を動かすような草刈は性に合っています。また、草刈は達成感が明確なところもいいですね。今年は格別暑かったけれど、暑いなかでも工夫して十分働けましたね」と草刈の魅力を話します。
近年はシルバー人材センター、間伐隊や妙見富士GCで剪定技術などを学び、草刈だけでなく剪定も行う「たんば草苅屋」としてスタートしました。「たんば草苅屋」へ直接の注文の他、登録するシルバー人材センター経由での仕事や商工会経由での依頼もあるそうです。
小回り・安全・スピード・環境への配慮が武器

トリマーやチェーンソーなど6種類の草刈機を駆使する
「たんば草苅屋」の強みは、小回りが利きやすいこと。暑さの厳しい夏の期間は、朝6時から10時までと15時から18時の涼しい時間を活用し半日単位で効率良く動いていたそう。
元会社員時代の安全衛生活動経験を活かし、現場では安全対策も万全。万一危険と判断した現場では決して無理はしません。
「当店は時間単位の料金制を採用しています。そのため、状況によっては仕上げがややシンプルになる場合もありますが、作業が早く終わればその分をお客様に還元いたします。効率性を大切にしつつ、丁寧で安心いただける作業を心がけています。」と、効率にもこだわります。
また、SDGs(持続可能な開発目標)や環境との調和も寺村さんのめざすところです。低騒音で排気ガスを出さない、「マキタ」の充電式の草刈機を使い、日の明けた早朝からスタート。
お客さんの合意を得る事ができれば緑が広がる景観も大切にしながら高刈りする事も。また、草抑え&景観アップのためグランドカバーと言われる地面を覆う植物を使う提案をする事もあります。

作業中の偶然の出会いが、新たなご縁につながったこともありました。自宅の隣の田んぼの草苅作業をしていた際、子どもの頃から知る年下のお客さんと30年ぶりに再会しました。
「草苅屋をされているなら、この実家まわりの草苅もお願いできますか」と、ごくごく自然な流れでご依頼をいただいたそうです。

その方は、神戸市兵庫区で造園業を営まれる会社の会長。思いがけない再会に感謝しながら、寺村さんは、今後の草苅屋の発展を心の中で勝手に期待しつつ、すぐに作業へと取りかかりました。寺村さんの仕事ぶりに、その方は大変感謝されたそうです。

こちらは、また別の現場の「After(仕事後)」の画像です。
10アール(一反)ほどの広さの休耕地には、1〜2mくらいの高さのセイタカアワダチソウや雑草がびっしり生えていましたが、約5時間でこの通り、綺麗に刈ることができました。
◆造園・草刈業務料金◆(依頼は5,000円から)
・草刈(機械使用):1時間2,500円~(刈高調整・安全養生含む)
・庭木剪定(低木~中木):1時間2,500円~(切枝整理・清掃含む)
・高木剪定(安全帯・脚立使用):1時間3,000円~(高所作業車別途)
・機械・道具持ち込み費:1日1,000円
・
刈草処分費:軽トラ1台分3,500円
・
出張費(丹波市内):無料(市外は別途見積)
※料金の支払いは、「たんばコイン」「PayPay」のキャッシュレスが作業現場で可能です。
今後はもっと地元の人の役に立つ活動に発展させたい

草刈と絡め、いろいろな事業展開を考えている寺村さん
草刈だけでなく、いろいろな活動で地域の課題解決で役に立ちたいと考えている寺村さん。
前職であるドッグフードの企画製造の経験を生かして、愛犬と一緒にお茶を飲んだり愛犬を遊ばせたりできるドッグラン施設をオープンしたいそう。「高齢化がますます進み後継者不足に悩んでいるお客さんに、休耕田や空き家何とかしてほしいと相談を受けたんです。そんな場所を露店のカフェとドッグランとして開放できたらいいなと。人が入ることによって草も生えにくいので、一石二鳥です」と話します。
草刈の事業と絡め、空き家を有効活用できるよう、「空き家対策」についても、新しい展開を考えているとか。持ち前のチャレンジ精神と不屈の魂「草刈×●●」の活動が、今後も広がっていきそうです。
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