『ゾロアスタ』は、自分たちが「心から応援したい」と思う企業や個人事業主のサポートに特化したICT事業を行っています。(ICTとは情報通信技術(Information and Communication Technology)のことで、ここではウェブサイト(ホームページ)やソーシャルメディア、PCやスマートフォン等を有効に活用し、仕事や暮らしを豊かにするためのサポートを指します。)
代表である高橋智広さんと奥様の朱(あかね)さんの二人三脚で事業を営んでいます。
お客様との会話からホームページの役割や作る目的を明確にし、一緒に思いを形にする
お客様からの依頼は、主にウェブサイトの制作やリニューアル。制作でもリニューアルでも、一番大事にしているのは、『自分本位の思いよりも、誰の役に立ちたいか、どのように役に立ちたいか』だと智広さんは言います。お客様との対話の中で、商売をはじめられたきっかけや目的、今後の課題などを尋ね、目的に沿った制作を大切にしています。
そのため、作る目的が明確でないページ制作や「見栄えをよくしたい」というだけの依頼は引き受けていないそうです。
具体的には、口頭や連絡ツールを通じてお客様のビジネスモデル、これまでの実績を共有し「誰に見てもらい、その人たちにどうしてもらうためのウェブサイトを作るのか」を明らかにします。その上で必要な中身、表現方法、ボリュームといった設計を進めていきます。
リラックスできる空間を心掛けています
「とにかく話をじっくり聞くことから始めます。ウェブサイトの制作が事業の在り方を考え直したり、具体的な事業計画を考えたり、強みの棚卸をするきっかけになったりすれば」と智広さんと朱さん。しっかり時間をとってただページを作るだけではなく、お客様の活動やサイトを見に来られる人の役に立つものを生み出すことを大切にしていることがよく分かりますね。
会社案内や販促物などの制作依頼も
制作した数々のチラシ
ウェブサイトとの相乗効果を期待したパンフレット、リーフレットなどの追加依頼も多く、一度サイト制作で携わっている分、比較的少ない労力で形になる点が好評とのことです。
コロナ禍に伴う緊急事態宣言の経験から「今までと同じ方法では、事業の継続が難しくなるかもしれない」と危機感を抱くお客様が多かったそうです。既存顧客からの依頼で手一杯で、しばらく新しい仕事を受ける余裕がないと言っていました。そんな中でも智広さんは、毎月神戸市で情報発信にまつわる勉強会を主催し、文章の書き方や画像加工といった技術的なものと情報を伝えるための心がけや目的意識といった思想的なものの両面をサポートされているそうです。
事業所の良い所をアピールするため知恵を絞ります
豊かな自然と地域の方の温かな人柄を気に入り、丹波市に移住
自宅で仕事をする高橋智広さんと妻の朱さん
2019年11月に加古川市から丹波市にIターン。
収入を得るため働き詰めだった生活に違和感を覚え、里山に移住したいと思うようになったと言います。移住を意識しながらも、なかなか踏み切れずにいましたが、背中を押してくれたのは妻の朱さん。丹波市のお試し移住に申し込み、優しい人たちや緑の豊かな景観を通じて「こんな環境で、子どもに伸び伸びと育ってほしい」と思われたそうです。
住まいは、丹波市の移住相談からの紹介で物件に出会い、自宅兼事務所として活用しています。
田舎暮らしを機に、日々の暮らしを丁寧に
移住から1年経過する中で、草刈りやごみ拾いなどの日役や間伐の手伝いに参加したという智広さんは、今後もっと自分たちの食べるものを自力で確保したり生活環境を整えたりして、手間をかける丁寧な暮らしをしたいという夢を抱いています。その一環として狩猟免許を取得しており、京都府福知山市の猟師のもとで追い込み猟や解体、獣肉の調理など「貴重な命をいただく、美味しく食べる」勉強を続けています。畑は、土づくりや田舎暮らしに関心のある仲間と春に作付けして交代でお世話する予定が、コロナ禍によって断念せざるをえず大雨の際に大半を枯らしてしまったそうです。
リモートワークと相性の良いICTの仕事と自然のなかでわざわざ手間をかけ生きていることを実感する暮らしを両立させるという、当初思い描いた田舎暮らしに近づきつつあります。
「自然環境の中で仕事と生活ができる。私たちがこの地域を気に入っているように、来客もここに訪れることを楽しみにしています。いいご縁に恵まれました。」と笑顔の朱さん。今後の活動に注目していきたいですね。