丹波のお店とお客さんをつなぐ架け橋 にじいろタブレット

コトスとコトリノで出会う、心地よい暮らしの提案

KOTOS(コトス)

企画担当の由良素樹さん

石生の国道176号を通るとき、いつも目に入ってくるガラス張りの店舗。ここは、創業60年を迎える株式会社由良工務店のショールーム「KOTOS/コトス」と「KOTORINO/コトリノ」です。その明るい雰囲気は、まるでカフェのよう。地域に根ざした工務店として確かな実績を積み重ねてきた同社が、それぞれの家族に合った“ウチらしいウチ”を具現化するために設けた体験型モデルハウスなのです。

地域とともに歩む、由良工務店の古民家再生

新築やリフォームなど幅広い建築を手がける同社では、近年、古民家の再生を希望する依頼が増えているそうです。「丹波には良質な古民家が多いんです」と語るのは、三代目社長の由良俊也さん。昔の大工が丹精込めて建てた家は、木の選定から細部の設えに至るまで、職人の技と美意識が息づいています。その一棟一棟を大切に受け継ぎ、現代の暮らしに合う形で再生。そこには、先人へのリスペクトがあります。

古民家リフォーム例

「古民家は、ただ古いのではなく、味がある建物だといえます。大工が魂を込めて建てた家を次の世代へつなぐのが私たちの役目です」と由良社長。実際に社長自身、「父が建てた家は見ればすぐわかる」そう。どの家にも、作り手の癖やこだわりが宿っているようです。

古民家リフォーム例

かつての家づくりには、大工をはじめ、瓦屋、建具屋、左官職人、タイル職人など、多くの職人の手仕事が関わっていました。機械や工具が今ほど発達していなかった時代、職人たちは伝統的な工法で手間を惜しまず、丁寧に仕上げていました。そうした先人たちの技や思いを大切にし、使えるものはできる限り再生しています。

古い家をリフォームするには不便や制約もあります。しかし、家族の思い出が詰まった家を受け継ぐということは、先祖への敬意を表すことでもあります。見た目を新しくするだけでなく、そこに刻まれた記憶や物語を次の時代へ渡していく。それが、同社の古民家再生なのです。

光と風をデザインする、心地よい家づくり

同社の家づくりに対する思いを見える形にしているのが家造りの拠点「コトス」と、体感型の住まい展示場「コトリノ」です。「コトス」は住む人の理想の暮らしを実現するための場。プロの知識と経験を生かして、自分たちらしい暮らし方を一緒に考える場所です。

新築住宅

古民家に限らず、新築や部分リフォームでも、家づくりで特に大切にしているのが、風の通り道。「空気の対流がないと、家は傷み始めるんです」と由良社長。放置された空き家が早く傷む理由の一つが、風が通らないことなのだそうです。そのため、窓の位置や大きさの設計には特にこだわっています。

新築住宅

「窓を大きくとるメリットは、丹波ならではの自然を借景にできること」と企画担当の由良素樹さん。気候の良い季節には窓を開け放ち、鳥や虫の声、草木の香りを感じる。そんな風景の中で日々を過ごす豊かさが、丹波にはあります。

「光と風はタダです(笑)」と、大きな窓から自然光を取り込むことで、明るさや心地よさに加えて、照明に頼らない省エネにもつながります。また、太陽の向きや時間帯によって変化する光と影のバランスを計算し、1日の移ろいと季節を感じられる空間を生み出します。丹波の風土に合った、自然とともに暮らす家づくり。それが由良工務店の原点です。

快適な暮らしのアイデアを体験できる「コトリノ」

「おしゃれな暮らしの提案」をテーマにした「コトリノ」の店内は、訪れる人の心をくすぐるわくわくした空間です。キッチンは見せる収納で家族の好きなモノをきれいに配置するなど、家具や照明、小物まで実際の生活シーンを想定してコーディネートされ、「こんなふうに暮らしたい」というイメージをそのまま体感できます。

「外では元気に活動して、その疲れを癒やす場所が自宅です。心身ともにゆったりやすらげる“オフを過ごす家”を提案しています」と、素樹さん。

和室のリフォーム例として展示されている「閑居」は、畳をフローリングに変え、落ち着いた家具を配置。座り心地のよい椅子と間接照明で、穏やかな時間を演出しています。障子やすりガラスなど、かつての建具を随所に生かしながら、懐かしさとモダンさを兼ね備えた空間に仕上げられています。

模様入りのすりガラスの引き戸は、昭和の頃に使われていた由良家のものだそうです。幼い日の思い出が、そのまま新しい家の中で輝きを取り戻します。

和室で見慣れた障子も、この部屋にあるとなんだかモダンな雰囲気です。

その他の施工例として、作り付けの机と本棚を設けた2畳ほどの書斎スペースは、静かに読書や仕事に集中でき、ひとり時間を楽しめます。

手洗いシンクのサンプルも展示されており、実際に手でふれて質感を確かめられます。

薪ストーブのある家

さらに、薪ストーブのある暮らしも提案のひとつ。薪ストーブはパチパチ燃える炎の音に癒やされ、やわらかな温もりが家全体に満ちていきます。鍋を載せれば煮込み料理ができ、その蒸気がほどよい湿度を生み出します。薪には建築現場で出た木の切れ端を活用し、燃え尽きた灰は土に還して家庭菜園へ。木から家、そして再び自然へとつながる、循環する暮らしが実践できますね。

「家づくりは完成がゴールではありません。そこから始まる日々をどう楽しむかが大切なんです」という由良社長の言葉のどおり、「コトス」と「コトリノ」は自分らしい暮らしの形を見つけるきっかけを与えてくれる場所でした。

 

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