丹波のお店とお客さんをつなぐ架け橋 にじいろタブレット

歌声と会話が広がる「喫茶ハーベスト」のやさしい午後

カラオケ喫茶ハーベスト

店内に流れるやわらかな空気感が印象的なカラオケ喫茶「ハーベスト」は、丹波市で21年続く店です。ゆったり座れるソファーや手編みのクッション、あたたかな人柄のママ、そして心地よく響く音。歌を楽しむ人はもちろん、おしゃべりを楽しみに訪れる人もおり、自然体で過ごせる場所です。

丹波で育まれた憩いの場

ハーベストを営むママ、川邊佳子さんは青垣の出身です。ご主人とともに尼崎で35年間、喫茶店やラウンジ、バーを切り盛りしてきました。長年、多くの人を迎えてきた経験からでしょうか、心地よい接客に、初めて訪れた私も自然と会話に引き込まれていきます。

21年前、ご主人の体のことを考え、自然豊かな丹波へ移り住み、店を開きました。当時、この地域にはまだカラオケ喫茶が珍しく、オープン当初は「こんなお店を待っていた」と喜ぶ声が多く聞かれたそうです。地域の人がリピーターになり、口コミで常連さんが増えていきました。

店内に入ってまず感じたのは、どこか懐かしくて、それでいて上品な雰囲気です。ステージがあり、ソファーがあり、そっと置かれた手編みのクッションにもぬくもりが感じられます。それもそのはず、クッションはお客さんが編んでくださったそうです。
窓の向こうに広がる丹波の空気と店内のあたたかさがよく合って、ゆっくり過ごせそう。常連さんが多いのもわかります。

歌も会話も楽しめる時間

今、ハーベストを訪れるお客さんの多くは、ゆっくりと自分の時間を楽しみたい方々のようです。もちろんカラオケを楽しみに来られる人もおられますが、実際には「ママとしゃべるのが楽しみで」と通われる人も多いそう。ふとしたやりとりに感じる温もりが、歌いに来たはずが、気づけば会話が弾み、また笑顔になって帰っていく。そんな光景が自然に生まれているのでしょう。

お客さんのなかには、高齢になって以前のように自由に出かけにくくなった方もおられますが、それでも新たに訪れる方が、この場所で思い思いの時間を楽しまれています。店内には落ち着いた空気が流れ、ママの細やかな気配りもあって、誰もが自分のペースで安心して過ごせるのが魅力です。

また、若い世代にとってもどこか新鮮に感じられる空間です。昭和の歌や懐かしいメロディーが見直されるなか、ステージのある店内には特別な雰囲気があり、友人同士で訪れても楽しめそうだと感じました。ママも、ママ友同士や若い人たちにも気軽に足を運んでほしいと話されています。

大きな声で盛り上がるというより、好きな歌を口ずさみながら、時には会話を楽しみ、心をゆるめる。そんな過ごし方が似合うお店です。世代が違っても、一緒に音楽を楽しめる場所として親しまれそうです。

最新の音楽を高品質の音で

ハーベストの特徴のひとつが、店内に響く音の心地よさです。存在感のあるYAMAHAの大きなスピーカーは、30年前に2台で購入したもので、当時の価格はなんと1台70万円!長年使い続けながら今も現役というのもすごいことですが、それ以上に歌う人の声をやさしく包み込むような音のやわらかさが特徴です。

音源は第一興商のものを使用しており、懐かしい曲から新しい曲まで幅広く楽しめます。昔から親しまれてきた歌を気持ちよく歌いたい人、新しい曲に挑戦してみたい人、それぞれに満足できる曲があります。求められればママがデュエットに応じることもあるそうで、そのひとときも、この店ならではの楽しみのひとつでしょう。

歌うことが好きな人にはもちろん、音を聴いているだけでも気分がほぐれていく、そんな魅力があります。ドリンクはコーヒー、紅茶、生姜湯を用意。なかでもコーヒーはおいしいと評判で、お菓子と6曲付きのセット料金が1,000円です。2時間ほどゆっくり過ごされる方が多いというのも納得の、うれしい設定です。お茶を飲みながらくつろぎ、好きな歌を歌い、誰かの歌に耳を傾ける。そんな午後の過ごし方は、日常の中の小さな楽しみですね。安心して過ごせる雰囲気、心地よい音、やさしい会話。ハーベストは、地域の人にとってくつろげる一軒です。

長く愛されてきた理由は、歌を楽しめるだけでなく、人と会い、言葉を交わし、笑い合える時間があること。その積み重ねが、ハーベストを地域に欠かせない居場所にしてきたのだと感じました。店名の「ハーベスト」が表すように、人とのご縁やあたたかな時間が、ゆっくりと実ってきた店です。

 

<注意事項>

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