
「須原電気管理事務所」は、電気を安全で効率的に使うための点検・調査・管理を行う電気保安を専門に手がけています。代表の須原佑介さんは、近い将来の独立を視野に入れ、工業系の高校で学び10を超える国家資格を取得。定められた実務経験を経て、2023年(令和5)秋に開業しました。
電気点検・電気保安業務を行う専門の事業所

試験装置を用いた精密な点検の様子
市島町を拠点に、工場、店舗、施設などを対象とした、電気点検・電気保安を行う「須原電気管理事務所」。現在は、丹波市内を中心に15の会社や施設などと取引先があります。
具体的には、電気設備の定期点検・保守管理高圧受電設備(キュービクルなど)が、安全かつ正常に動いているかを確認する法定点検を行っています。毎月行う「月次点検」は、キュービクル内部にある部品をサーモグラフィーカメラで撮影し、接触不良や劣化などを早期に発見します。「年次点検」では、電気を止めて、普段電気が流れているところに異常がないか、数値的に異変がないかなどをチェックすることも。「コンビニのようなサイズの設備では30分くらいで終わりますが、工場やスーパーなどの大きなところは一晩かけて点検することもあります。同業者の組合のなかで、サポートしながら20~30人で作業することもあるんですよ」。
その他、施設の電気保安・安全管理業務を代行・監督する業務や、トラブル予防・漏電チェック・緊急対応漏電や設備事故を防ぐためのチェックなども行っています。
工業高校で学び実務経験を積んで独立

代表の須原佑介さん
代表の須原佑介さんは、京都府立工業高校電気エネルギー科(現・電気テクノロジー科)で学びました。ビル、工場、一般住宅などの電気設備の設計や工事を行う際に必要な国家資格である「第一種電気工事士」、発電所や変電所、工場、ビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督を行う際に必要な国家資格「第三種電気主任技術者」、大規模な工場で省エネを推進する国家資格「エネルギー管理士」など、10を超える資格を持っています。
いずれは独立することを視野に入れて、高校時代から働き方を考えていたというから、一本芯が通っています。温和な語り口と柔らかな物腰からは想像できない意思の強さを感じさせます。「フルタイムで働くのも一つの働き方だと思いますが、ボランティア活動をしたいと思っていたので、自分で采配できる個人事業主を目指していました」。
高校を卒業してからは、ビルメンテナンス会社やコンビニなどに勤務。紆余曲折を経て、丹波篠山市にある「三井ミーハナイト・メタル株式会社」で実務経験を積みました。「舶用のエンジンの枠や歯車を製造する会社ですが、そこで特別高圧・高圧の電気設備から低圧の電気設備の保安管理業務を担っていました」。その後、退職して2023年秋に個人事業主として開業しました。
須原さんは、仕事のやりがいをこのように語ります。「自分の知っていることが、他の人の役に立つことは純粋にうれしいです。電気がなぜつかないのか、原因がわかって、解消したとき、お客さんが喜んでくれるのは一番のやりがいにつながります」。また、取引先の会社の取り組みや商品を深く知ることができるのも醍醐味だといいます。市内の企業で名前は知っていても、どんなものを作っているのか知らなかったけれど、関わることによって理解も深まり、身近に感じることができるようになったとか。逆に、会社員とは違って、個人事業主は、自分ですべて責任を負わないといけないので、自然災害などで電気が止まると、緊急で駆けつけることを求められます。「日ごろの健康管理が大切ですよね」。
今後の方向性を見極め常に学ぶモードで前進

2025年(令和7)6月に丹波市商工会から表彰
昨年は、「防災事業者」として、丹波市商工会から認定されました。災害への備えと対応力の向上に向けた取り組みを積極的に進めている5社が認定されたそうです。「災害が起きたとき、緊急連絡ができる仕組みを積極的に導入している事業所として表彰されました。クラウドサービスで、顧客情報を管理したり、個人的にコミュニケーションツールを構築したり、停電が発生しても最低限の業務が行えるよう太陽光発電と蓄電システムの導入などそんなところが評価されたんでしょうか」と話します。

ドローン操縦のようす
2025年(令和7)に、ドローンの国家資格を取りました。今年はサーモカメラドローンを導入して、太陽光発電所の電気設備に異常がないか、上空からサーモグラフィーカメラで撮影できるようになりました。今後の主流になっていく方向性を見極め、常に前を向いて学び、国家資格を取って、仕事に生かす姿勢で向き合っています。
「人手不足の業界なので、国をあげて資格を取りやすくするために、条件を緩和しています。そんななかで、自分の時間を調整しながら、お客様に選んでいただけるエンジニアとしてさらに専門技術を高め、さらに良いサービスを提供していけるかが今後の課題ですね」と、須原さん。
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