クリエイターにとって創作活動に集中できる静かな環境は憧れの場所です。郊外の緑に囲まれた場所なら、さらに創作意欲もわくというもの。春日町棚原にある1894年(明治27)に建てられたお屋敷に住み、そこで活動しているデザイナーの渡辺顕(けん)さんは、2012年(平成24)に、東京から丹波市に住まいと仕事場を移しました。妻のトモコさんは版画家、イラストレーターとして活躍中です。
古民家を活用したオフィス
ワタナベ・カンパニーがある本上田邸は、もともとは庄屋だったお屋敷です。縁あって住むことになった渡辺さん夫妻ですが、ここを借りる条件は地域の人にイベントなどで開放する「住み開き」として活用すること。地域の人にとって大切な財産であることをしっかりと受け止め、クリエイターの仕事と同時にヨーガ教室も開講しています。
さてそのお屋敷。東門を入ると右手に米蔵、左手が主屋で、デザイン事務所と住まいはここにあります。土間や離れ、いくつもの蔵など、往時の様子を想像するのが楽しくなる広いお屋敷です。かつての調度類を生かしてリノベーションされ、中庭にはシンボルツリーのクスノキの大木が、悠々と枝葉を広げています。なんとも居心地の良い場所です。
東京から丹波に移住してデザイナーに
顕さんは元々旅行会社で国内外を飛び回っていた人。各地でさまざまな情報にふれ、見聞きしたことがセンスを磨いでいるのでしょう。独学でデザインの技術を身に付け、2015年(平成27)ごろから頼まれるままに本格的にグラフィックデザインとウエブデザインを手がけるようになりました。ソフトな物腰で、しっかり相手の話を聞く姿勢は、ビジネスマンとして身に付けてきたものかもしれません。
兵庫県立年輪の里ウエブサイト
丹波に移住してから、かつて東京でワーカーホリックのように働いていた生活は一変。季節の変化を肌で感じ、ヨーガで心を鎮め、クライアントとしっかり語りあって、デザインを進めます。写真撮影も自身で手掛けることもあり、クライアントがイメージする世界観を表現。「渡辺さんに任せる」と、まるごと投げられることが多いのも、信頼されている証ですね。企業や店舗、公共機関の他に、作家やイベントなどの製作を多数手がけています。地元で見覚えのあるポスターやパンフレットも多いですね。
キャリー洋菓子店ウエブサイト
丹波布展ポスター
大連飯店紙袋
イラストレーターで版画家の妻とともに
妻のトモコさんは、美大を出てからイラストレーター、版画家として現在も様々な作品を発表しています。書籍や広告のほかに、顕さんとともに作るワタナベカンパニーオリジナルのものも増えています。
Kyoro Cherry Blossom Map と題した艶やかな版画。原画を描いて版木を彫っていく作業は、緻密で時間がかかります。ものすごい集中力がいるのだと想像できます。
古風なデザインや和モダンテイストなど、トモコさんの世界観を生かしたポストカード。木版画をカードにアレンジするのはもちろん顕さんです。
丹波の名所も版画だと写真とは違う雰囲気になります。遠方への便りに使うと喜ばれそうですね。そのまま額に入れて飾っても素敵です。
樹齢350年を超えるであろうクスノキの巨木が見守るお屋敷で、夫婦で創作活動に取り組む渡辺顕さんとトモコさん。やわらかな雰囲気のデザイン、力強いテイスト、和モダンなイラストなど、多様なデザイン案件に対応。チラシや名刺、ホームページなど、トータルで任せることができるデザイン事務所です。
2人はともにヨーガ教室も開催しています。
くわしくはこちらから
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