
「オオガキホーム」は、職人気質の大工さんであるご主人の大垣裕彦(おおがきやすひこ)さんと、二級建築施工管理技士、二級建築業経理士で、インテリアコーディネーターの有資格者でもある奥様、大垣智子さんが、タッグを組む工務店です。5~6年前に建てた大垣さんの自宅兼設計事務所兼モデルハウスは、とてもステキな住空間で、憧れの一軒家として施主さんからも好評です。
大工さんのご主人と設計士で現場管理をする奥様のコンビが絶妙

看板代わりの石垣がステキな会社のエントランス周り
「オオガキホーム」は、2001年(平成13)に開業した地元密着の工務店です。代表の大垣裕彦さんは、大工歴30年以上というベテランの大工さんで、腕の良さと人柄の良さ、左官屋さんらプロの職人とのチームワークの良さで、これまで新築、増改築など、多くの現場を手掛けてきました。「腕も人柄もよくて、責任感も強いプロの職人さんたちに支えられてここまで来ました。他の大工仲間とも“あうんの呼吸”でお仕事させてもらっています。今まで特に広報や営業活動をしたことはありませんが、おかげさまで元請けも下請けも、ずっと紹介で、お仕事をいただけていて大変ありがたいです」と智子さんは話します。

裕彦さんは、建物の土台となるコンクリートの基礎をつくる「型枠大工」から、基礎の上に家を建てる「建築大工」に転身しているので、建築部分はもちろん、基礎部分も知識や施工経験があるのが強み。入母屋で土壁の家など、昔ながらの純日本家屋も手がけてきた経験から構造もよくわかっているので、古民家リフォームも得意です。家を解体するときも、壊しても構造上問題がない箇所や残さなければいけない箇所、耐震補強すべき箇所などを熟知しています。
「現場を見てからでないと、リフォームができるかどうかわからないというのではなく、『どんな家でもリフォームできますよ』と胸を張って言えるのも強みですね。お客さんにも詳しく説明することができるし施工しやすいです」と智子さんは話します。

一方智子さんは、工務店に勤めていてインテリアコーディネーターなどの資格は持っていたものの、建築関係の学校で学んだのではなく、すべてが独学という苦労人。建築施工管理技士として施主さんの思いに寄り添い、間取りを考えるだけでなく、打ち合わせや現場管理、経理などの事務も智子さんが担当します。智子さんが施主さんと密にコミュニケーションを取りながら、施主さんの思いを設計し、その設計図に沿って、寡黙で職人気質の裕彦さんが形にしていく、まさに二人三脚での家づくりを手がけています。「夫婦だから喧嘩もするけど、密にやり取りできて施主さんの思いを共有することができます」。
モデルハウスとして使えるように自宅を新築

周りの緑と調和する、斜めの屋根が印象的な外観
「施主さんに見てもらってイメージを膨らませることができたら」と、自宅兼事務所兼モデルハウスを2018年(平成30)にオープンしました。智子さんが設計して、裕彦さんらのチームが建てた5LDKの「平屋のようなつながりのある二階建てのお家」です。


1階リビングは吹き抜けがある開放的な空間で、リビング階段から2階へと続き、そこからリビングを見渡すことができます。

2階には、リビング階段とは別の階段から上がれる事務所スペースがあり、住居部分とつながっています。
事務所スペースは、主に打ち合わせに利用していて、裕彦さんが作った家具なども置かれています。
施主さんの思いをくみ取った間取りにリフォーム

U様邸(丹波市)BEFORE

U様邸(丹波市)AFTER
それでは施工例を紹介しましょう。
まずはリフォームの住宅です。施主さんは築50~60年の昭和時代に建てられた民家に住んでいたのですが、「今どきの新築のお家に住みたい」という希望がありました。


細かく区切られた部屋と隣接する納屋の土間スペースを一つにし、26畳もの広さの住空間に変えました。また天井を抜いて開放感をだしつつ、構造上必要な梁はそのままに、古き良きものを活用した「今どき」の住まいにアップグレード。当初の予算に合わせて、小さな新築が建てられるくらいの金額で、大きなリフォームが実現しました。
奥さんは「自分がこんなにきれいな家に住めるとは思いもしませんでした。子どもたちも家が新しくなって、穏やかに暮らしていると思ってくれているようです」と喜んでくれたそう。智子さんが大切にしたポイントは、奥さんが大好きだという自宅周りの風景が見られるような間取りです。「リビングから、山並みの景色や庭で子どもの遊ぶ姿が見られるように考えました」
アトリエや土間付LDKを実現した夢のマイホーム

I様邸(丹波篠山市)

新築は、クラフトマンであるご主人のアトリエを確保した一軒家の住宅です。実家に隣接している限られた土地に建てた住宅は、土間があるリビングと2階から1階が見渡せる空間をというご主人の希望を叶えました。

また波板の工場の雰囲気が好きというご主人の希望をくみ取って、屋根も壁も同色の波トタン風の外観で、スタイリッシュな住宅が完成しました。
ほかにも忘れられない現場は多々あり、施主さんからは「家を施工してもらって、子どもがイキイキし始めた」との言葉をいただき、設備の方からは「エアコン設置で、こんなにきっちり断熱された家と出合ったのは初めてです」と言っていただいたそう。「施主さんに喜んでいただくのはもちろん、外部の方から構造のことを褒めていただいたときはうれしかったです。見えないところだからこそ、より一層丁寧に、きちんと施工してきた成果だと思いました」。
今後も自分たちが育んできた思い入れのあるつながりを大切にして、思い入れのある家を手がけていきたいそうです。
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