山や田畑に囲まれた、のどかな風景に馴染む白壁のレストラン「あれっと」。木を基調とした店内には、大きく切り取られた窓からの明るい光が入り、視界の先には丹波の山々が望めます。
16年間営業してきた同名のフレンチレストランを畳み、京都市内から丹波市へ移転して約6年。アットホームな雰囲気の中で、気取らずに食べられるフレンチベースの洋食と季節感たっぷりのスイーツが評判を呼び、今では“丹波に来たら訪れたい店”の1つとして、地元のみならず、県外からのファンも増やし続けている人気店になりました。
幼い頃から親しんだ青垣で、地元の人とつながる店を
鈴木明日香さん
丹波市青垣はシェフ・小田義之さんの奥様である、直子さんのふるさと。丹波市の中でも特にこの場所にお店を構えることにこだわったのは、お二人の長女である店主鈴木明日香さんと次女の絵美香さんでした。
幼い頃から祖父母と過ごしてきた愛着のある場所。周辺の柏原や春日に比べ、まだまだカフェやレストランが根付いていない地域ではありましたが、だからこそ、近所の人が通える店をつくりたいと思ったとのこと。また、地元の農家や生産者とつながりを持ちながら、丹波の自然の中で育まれた新鮮で質のいい野菜や果物などが使えることも魅力でした。
一皿ひと皿に手間を惜しまず、心を込めたやさしい料理
厨房で腕を振るうのは、長年フレンチのシェフを務めてきた義之さん。地元の農家から届けられた旬の野菜をたっぷり使った前菜、素材そのものの味わいをじっくり引き出したスープ、そしてシェフの技が光るメイン料理。コース仕立てで提供されるお料理は、どれも手間暇を惜しまず、心を込めて用意されたものばかり。前菜のサラダに使われるドレッシングやお料理と共に提供されるパンも全て自家製です。
また、幅広い客層から支持されている人気の煮込みハンバーグは、そこに使われるデミグラスソースに至るまでもちろん手づくり。味の要となるフォンドボー(野菜や牛すじなどを使用してつくる出汁)から全て店で仕込み、完成までに3日間を要するシェフこだわりのひと品です。
季節のフルーツたっぷりのスイーツで丹波の四季を届ける
料理と合わせて訪れる人たちを虜にしているのが、明日香さんと妹の絵美香さんが作る自家製のケーキと焼き菓子。菓子作りの経験がなかった2人にスイーツの“いろは”を指導してくれたのは他でもない父・義之さんです。
丹波産平飼い卵を使用したシフォンケーキやガトーショコラをはじめ、常に8種類ほどのケーキがショーケースに揃います。遠方からのファンも多い季節のショートケーキやタルトは、どれも地元で収穫したフルーツや特産の丹波栗などをたっぷり贅沢に使っており、見ているだけでも心が踊ります。さらに、クッキーやスコーンなどの焼き菓子類、プリンなども充実。
贈り物やお土産にもピッタリのオリジナル商品
店内に併設している工房では、贈り物やお土産にぴったりの加工品作りも行っています。定番のオリジナルドレッシングは、レストランで好評だったものを商品化。丹波黒豆の煮汁を使った黒豆ドレッシングはほのかな甘みが特徴で、丹波のお土産としても喜ばれています。また、国産生姜たっぷりの生姜ドレッシング、季節限定で発売される宮垣農産のにんじんを使ったドレッシングも、いつもの野菜サラダを格上げしてくれること間違いなし。
そして、毎年秋には丹波栗の渋皮赤ワイン煮も登場。毎年約100キロ分の丹波栗を、渋皮を傷つけないよう手作業で丁寧に下処理して作り上げる自信作。大粒の丹波栗がゴロゴロ入った瓶詰めは見た目にもインパクトがあり、毎年買い求める人もいる人気商品です。
お店のモットーとして大切にしているのは、「田舎のゆっくりと流れる時間を、美味しい料理とともに楽しんでもらうこと」と話す明日香さん。昨年TV番組に出演して以来、今でもその影響が続いていると言い、忙しい時には行列が絶えず、ランチだけで3回転することも。
その中で少しでも「田舎のゆっくりと流れる時間」を感じてもらえるよう、目の前のお客さん一人ひとりに満足して帰って頂けるよう、常に心を尽くしてきました。
最近は1人でフラッと食事に訪れる人や、愛犬と一緒にテラス席でくつろぐ人も増えはじめ、明日香さんたちが想い描いているように、この場所がいろんな人にとって、ゆっくりと過ごせるとっておきの場所になりつつあることを証明しているかのようです。
<注意事項>
- 新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、店内でのマスク着用、手指の消毒、ソーシャルディスタンス等に配慮しています。ご協力をお願いいたします。
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