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手作りと無添加へのこだわり、一品ごとに美味しい彩り9品弁当

ann kitchen

国道176号沿いにある「ann kitchen(アンキッチン)」は、2025年(令和7)10月に同じ柏原町から現在の場所に移転したお弁当屋さんです。オープンの時間になると日替わりの9品弁当や定番とシャケ弁当が店内のテーブルに並びます。店主の福山まゆみさんが手がけるお弁当には、食べる人の体をやさしく労わるためのこだわりがぎゅっと詰まっていました。

自身の不調を乗り越えて生まれた9品弁当

かつて不眠や体調不良に悩まされ、薬を服用しながら、これからの生き方や健康について模索した福山さん。その中で、「毎日口にする食べ物こそが、何よりも大切なのではないか」ということにたどりつきます。もともと料理が好きだったこともあり、体の内側から健康を生み出す食を提供したいという思いが芽生えてお弁当屋を始めることに。

たまたま話した相手から、「それなら、たくさんの種類が少しずつ入った9品のお弁当を作ってみたら」というアイデアを提案されました。一度にたくさんのおかずを作る大変さを思って躊躇したものの、蓋を開けた瞬間にわくわくするようなお弁当で喜んでもらいたいと、一歩踏み出しました。それが4年前のことです。

一品ごとに違う味が食欲をそそる

移転して半年あまり、国道沿いで新しいお客様も増え、売り切れる日もあると聞いていたので、私も事前に予約をして取り置きをお願いしていました。夕方、手渡されたお弁当は、9つに区切られたスペースに、混ぜご飯とバラエティ豊かな副菜が美しく収められていました。
たまたま提案された9品という構成ですが、福山さんが大切にされている別の思いもありました。病院関係者から、入院患者さんが病院食を一口食べて「美味しくない」と感じると、それ以上食べてくれないという切ない話を聞いていたそうです。同時に、たとえ一品でも心から美味しいと思えたら、それをきっかけに食欲が湧いて箸が進むという、心の動きも知っていました。

そういう人に届けるためにも「9品すべてひと口ごとに新鮮な味わいを感じられるようにしよう」と心に決めます。例えば、あるおかずは馴染みのある和風の味付けに、隣のおかずは食欲をそそる中華風に、またあるものはさっぱりとした酢の物にといった具合です。一見すると似たような煮物や和え物に見えても、それぞれに使用する出汁を変えたり、調味料を組み合わせたり、できるだけたくさんの味を楽しめるような内容になっています。

9品弁当(1,300円)

メイン料理は、「自家製焼豚」や「和風あんかけハンバーグ」、副菜には「セロリのカレー炒め」や、「たっぷり卵入りのポテトサラダ」、「きゅうりの自家製マリネ」、大葉の風味が爽やかに香る「揚げナス」などが並びます。意表をつかれたのは、「根菜の豆乳ごま和え」。薄味で、しっかり素材の旨みが感じられました。
この日のご飯は、四万十川の希少な青のりと、大分のホオダラ(イワシ)を使った「炊き込みごはん」。「良い香りが漂っているね」と朝一番のお客様がいわれたのもうなずける、自然の恵みが詰まった味わいでした。

安心な調味料と丹波への愛が思いを紡ぐ

「ann kitchen」のお弁当が、やさしく深い旨味に満ちている理由の一つが、選び抜いた調味料にあります。特にこだわりがあるのは塩。「人間の体は、ミネラルが不足することで引き起こされる不調がある。そのために精製されていない塩を摂取することは大切」という考え方を知り、ボリビア産の天然岩塩を使うことに。

アンデス山脈を産地とし、鉄分やミネラルを多く含んだ岩塩は、ほんのりとしたピンク色。これをひとつまみ料理に加えるだけで、素材本来の旨味が引き出されるとか。「このお塩で作ったおにぎりは格別です」と福山さん。

希望すれば店内でお弁当を食べることもできます。「丹波の人たちに元気になってもらいたい、安心できるものを食べて健康でいてほしい」という福山さん。これからの季節は新鮮な夏野菜が次々にメニューに加わる予定だそうです。とっても楽しみですね。

9つの区切りの中、ごはんは一つだけ。あとはすべておかずという贅沢なお弁当。たくさんの野菜がとれて、いろんな味が楽しめます。手作りの温もりを感じつつ、栄養が体じゅうにしみわたるような満足感がありました。一人暮らしの人はもちろん、夕飯を作る気力がない時にも重宝します。確実に購入したい時は事前予約をおすすめします。

 

<注意事項>

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