丹波の農産物と住まいを「丹波至宝™」ブランドでプロデュースする

丹波國大和株式会社

丹波の産物を「丹波至宝」というブランドで販売・発信している地方商社が、「丹波國大和株式会社」です。“お客さまのニーズにこたえる”というビジネスの根幹を大切にしながら、丹波のすぐれた原石を全国に、海外に広め、次の世代につなぐ道すじをつくってゆくための活動に邁進している注目の一社です。

これからは「ケール」の時代が、来る

農業部門では、現在2つの品目に力を注いでいます。ひとつめは「ケール」。抗酸化力の高い野菜として、近年人気のあるキャベツの一種です。

同社が販売するケールは、ミネラルたっぷりの黒ボクの火山土から育っていることから非常に力強く、味の濃いことが特徴です。契約農家と京都大学工学部の共同研究のもと、ミネラル分の多い土壌に鉄ミネラル液を使用した栽培方法をとることで、えぐみは減り、旨みが増えるのだとか。

このケールを乾燥させて粉末にした「ケールパウダー」も販売しています。瓶のふたを開けるやいなや「おおっ!」と、感嘆の声が出るほどの香り高さ。その上、生のケール約11kg分が約1kgのパウダーに凝縮されているので栄養が詰まっているそう。スープやドレッシング、パスタソース、ヨーグルトなど、お好みのものにスプーン1杯を加えるだけで、栄養価も味わいもぐんとアップ!忙しいけれど、おいしいものは食べたい、健康も気になるといった現代人にぴったりの商品です。

とあるご縁でこのケールと出会い、あまりのおいしさに「多くの人に知ってほしい!」と思っていたところ、「Egg東京」というレストランにご紹介する機会を得ました。社長は口にするなり、「これはおいしい!」と、すぐに直取引がはじまったそうです。東京まで配送しても、香りや味、色は変わらず、その品質が長持ちすると高く評価されました。今では、サラダやドライカレー、ドリンク類など、さまざまなメニューに登場しています(写真は、そのメニューのひとつ)。

余談にはなりますが、後々になって、この野菜を作っている農家の代表者が、丹波市の経営支援「Bizステーションたんば」のコンサルタントと知り合いだったことが分かり、社長の宅野莉加さんは、「私たちのビジネスに助言をくださっている方とビジネスパートナーの農家さんが、まさかこんなところでつながっておられるとは、と驚きました」と、不思議なご縁を感じています。

山本さんのブルーベリージャムじゃなきゃ…!

ふたつめの作物は、ブルーベリーです。2000年に丹波でブルーベリー栽培を始めた山本一さんは、ブルーベリーの本場であるフィンランドへ現地視察に行った経験もあるほど、ブルーベリーの生育に関して情熱を持っている方です。丹波國大和は、農薬や化学肥料を使わずに作られる山本さんのブルーベリージャムを販売しています。ブルーベリーの自然の甘みを生かした風味、しっかりとした果肉感は、一度食べると、他の追随を許さないと思えるほど。シンプルな材料でできる商品だからこそ、素材のチカラが要となることを実感します。

宅野莉加さんは、「山本さんのブルーベリーは本当においしい。それに、本当に素敵な方なんです。なので、ずっと長く一緒にお仕事をしていきたい」、そして続けます。

「“田舎のものはおいしいね” “安くていいね”、ということだけで終わるのではなく、本当にいいものを理解して、適正価格で買ってくださるお客さまとつなげたい。農業という事業を軌道に乗せ、長期的に見て魅力あるビジネスにすることで、若い次の世代が手をあげるようになると思うんです」、と思いを話します。

ケールもブルーベリージャムも、今のところレストランへの販売のみですが、都会の一般消費者のニーズにもこたえるため、容量を少なくしたサイズを検討したり、パッケージもリニューアルさせ、販路拡大を狙い、ネット販売を2021年1月から開始する予定です。

つながるご縁を、全国に、世界に…そして、次代につなげてゆく

丹波國大和は、建築土木事業でスタートしました。顧客に丹波の方々が多かったことから、2017年に思いきって移転。

前社長(現会長)は、建築土木の道に携わって約50年。建築施工管理技士、土木施工管理技士、電気施工管理技士、それぞれ1級を保持しているそう。それゆえ、施主の要望と職人のこだわり、そういったものすべてを包括し、「至宝の職人が、至宝の家(ドリームハウス)をつくる」ことを信条としています。施工、リフォーム、アフターフォローはもちろん、個人宅へ太陽光と蓄電池を販売する事業も担います。災害などで停電になっても、蓄電池をつけておくと、自家発電で通常通りの生活が送れる、というものです。災害大国日本だからこそ、備えは欠かせません。

2019年には父から娘へ代変わりし、農業部門を立ち上げました。きっかけは、建築部門のお客さんからいただく丹波の農作物でした。

「丹波の野菜のおいしさに感動しました。こんなにおいしいもの、もっと広めたいと思ったんです。黒豆や小豆だけじゃない丹波のいいものを、もっと付加価値を付けて都会に届けたい」と、宅野莉加さんは力を込めます。

2021年1月前後をめどに、都会の女性、健康や美容意識の高い人に向けたケールの宅配ボックスを販売する予定です。

“届ける”先は、関西、東京だけにとどまらず、海外も視野に入れています。

写真は、スウェーデンとイタリアに向け、丹波の土壌や風土、同社の商品(ケールパウダーなど)をオンライン会議で紹介したときの様子。アメリカ留学10年の経験を持つ社長の流暢な英語と、IT会社でのマーケティング経験を生かした客観的かつ分析的な説明で、商談は一歩進んだようです。

さらには、同社の広いネットワークを生かし、丹波市と丹波市商工会とともに関西圏の大手・中小企業への企業誘致プロジェクトもスタートさせました。

「丹波の未来に、新しい道をつけていきたい、私たちができる全てをやっていきたい」と、意気込みます。ワクワクするような、何かが、始まりそうな予感です。

 

<注意事項>

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