やわらかい卵の甘い香りと味に、なつかしさも覚えるせんべいたち

小谷製菓

1948年(昭和23)創業、現在三代目が手焼きするせんべい屋さんです。丹波の名所や名産などの焼印を押した瓦せんべい「丹波ふる里せんべい」のほか、お茶請けやお土産に最適な各種せんべいを製造しています。70年近く老舗せんべい店を継ぐ若き店主にその思いを聞きました。

手焼きする職人の勘とワザがおいしさの秘訣

地元の平飼い卵に小麦粉、砂糖など、シンプルな材料で作られる小谷製菓のせんべいは、一枚一枚手焼きされています。一番人気は四隅に砂糖がけされた「四方(しっぽう)」。この四隅に砂糖を付けるのももちろん手作業。「簡単なように見えて、きれいに入れるのはなかなか難しいんです」と、話すのは、昨年代替わりをした小谷哲也さん。高校卒業時から見習い、修業をはじめ、継ぐ数年前からは事業を任されました。

「僕はやっぱり、シンプルに瓦せんべいが一番好きですね」と、マイベストをおすすめしてくれました。祖父の時代から作り方や材料は変えず、その優しい味を守り続けています。せんべいは湿気やすいので、季節や天候によって、微妙に水分量や粉を変えます。「その辺は勘が頼りになってきます。祖父や父のようになるには、まだまだ…」と、目を細めました。

「私はこの『フライ』が好きです」というのは、哲也さんのお姉さんで、配達などを担当する小林佳代子さん。揚げたそら豆が入っていて、こちらも人気商品のひとつ。

「うちのせんべいは、はちみつを多めに入れて割と柔らかめに仕上げているので、小さなお子さんから高齢の方まで、食べやすいと思います」との言葉どおり、ひとつ口にすると、食べる手が止まりません。

オリジナルの焼印で思い出づくりにも

看板商品の瓦せんべい「丹波のふる里せんべい」は、丹波の名所や名産などが鋳造されたオリジナルの焼印が刻印されていて、丹波のお土産物としても重宝します。道の駅・おばあちゃんの里のほか、市内のスーパーでも購入可能。お盆や年末年始になると、帰省土産として大量注文が入ることも多いとのこと。

また、特別注文として、お客様が希望するデザインの焼印づくりから受けることも可能。新郎新婦や赤ちゃんのお名前、会社やお店のロゴや、学校の校章など用途に合わせて自在です。オンリーワンの瓦せんべいは記念になったり、名刺代わりになったり、インパクトも大ですね。

焼印を一からつくらなくても…ともう少し手軽な方法でオリジナルを手に入れたい方には、包装する個別の袋に希望の文言をプリントすることもできます。なかのせんべいは、目的に見合った図柄や文字を刻印してくれるので、ご相談を。

古きを守りつつ、自分らしさも出していく

丹波のマスコットキャラクター「ちーたん」が誕生した当時から製造販売する、「ちーたんせんべい」は、大と小を用意。専用のギフトボックスもあるので、お土産にぴったり。

哲也さんは、「小さい頃は、スーパーで売っているお菓子とか駄菓子のほうに魅力を感じていましたが、大人になってからは、この優しい味がのほうがおいしいと感じるようになりました」と、言います。

初代の頃からひいきにしてくれているお客様も多く、「昔ながらの味は絶やさず、ながくながく、続けていきたいと思っています。そのうち、新しいことにも挑戦していけたら」と、優しい笑顔で今日も一枚一枚、丁寧に焼いていきます。

 

<注意事項>

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