エビフライ、ハンバーグ、オムライスが一皿で楽しめる!笑顔が集う洋食店

キッチンたわや

たわやスペシャル 1,400円 (税込)

 

2016年(平成28)、ふるさと丹波に洋食店「キッチンたわや」をオープンしたのはシェフの田和亨さん。料理で人を笑顔にするという信念どおり、今日も店内には笑い声が響きます。こだわりや開業までのいきさつを伺ってみると、絶妙なトークで笑いの絶えない時間となりました。

 

イチオシは大人のお子様ランチ!?手間隙を惜しまない絶品の数々

コース料理の前菜

 

「メニューは基本的に僕が好きなもの」とにこやかな田和さん。イチオシを聞くと、大人のお子様ランチのような「たわやスペシャル」を挙げました。エビフライ、ハンバーグ、オムライスが楽しめる洋食3種のオールスターとも言うべき一皿です。

 

特に注目したいのがハンバーグにかかったデミグラスソース。濃厚な味わいの秘密は、なんと1週間もかけて作られているという丁寧さにあります。牛骨を焼いて水でグツグツと2日間煮出して…と聞いているだけで、その手間隙が伝わってきますよね。

 

「何でも簡単に作れるようになった世の中で、妥協せず納得のいくものを出したい」と修業時代から同じソースを同じ方法で作り続けています。その原点には料理で人を驚かせて喜ばせたいという思いがありました。

 

中学生で芽生えた料理人への志「料理で人を笑顔にしたくて」

オーナーシェフ田和亨さん

料理を始めたのは中学生の頃。両親が共働きという環境で育ち、お腹がすいたら自分で作って食べるようになったのだそうです。「中学生なんて、お腹すいてたら何でも美味しいからね」と笑いますが、レシピも見ず残りもので焼き飯などを作りながら、「あれ加えたら美味しそう」という好奇心で調理し、家族や友人にも振舞うようになりました。

 

「母が仕事で遅いときに作っておいてビックリさせたいなって。母が玄関開けて『あ、いい香り』って言うのを隠れて聞くのが嬉しくて」そのお母さんの笑顔を見て料理の楽しさに目覚めた田和さんは、中学生ながらにコックになると決意したのです。

 

葛藤を乗り越えて…ふるさと丹波に背中を押され、夢叶えた洋食店

洋食を選んだのは「コック帽に憧れて」と冗談交じりに答える田和さん

高校卒業後、大阪の調理師学校へと進み基礎から学んだ田和さん。卒業後はホテルのレストランに10年間勤めながら様々なスタイルの料理を経験し、引き出しを増やしていきました。29歳で結婚し地元に戻ってからは、さらに10年間、丹波のレストランに勤務。いつか自分の店を持ちたいとは思いつつも不安が押し寄せ、具体的なプランを描けずにいました。

 

「35歳の頃、周りに『いつ店を出すの?』と聞かれるのが苦しかった。チャレンジせずに逃げている自分が嫌になって…」

 

そんな葛藤を抱えながら30代はあっという間に過ぎ、焦りも募っていきました。しかし、40歳目前。「今しかない!『あかんかったらどうしよう』とばかり考えていても意味がない!」と一瞬にしてスイッチが入ると、翌月には会社を辞めたと言うから驚きです。

 

「地域の人たちも僕の背中を押してくれているような気がした。青年団などで父の友人たちとの世代を越えたつながりが有難くて。故郷は自分で選んだ場所ではないからこそ、地元の人たちとの出会いが運命のようで、これを大事にしたいなと」

 

子連れ、飲み会、記念日も!幅広いシーンで利用可能な空間&料理

店を持つと決めたら、不安を感じる暇もなく銀行への相談や場所探しなど一から奔走。2016年(平成28)6月、「キッチンたわや」をオープンしました。特にこだわったのは誰もが訪れやすい空間づくり。人口が少ない町ゆえ、あらゆるシーンで利用してもらえるようにと工夫されています。

掘りごたつの個室 仕切りを外せば20名ほどでもご利用可

 

子ども連れの方や飲み会にピッタリの個室、車いすの方でも利用しやすいテーブル席、ゆっくりお酒を楽しみたいカップルやお一人様にもおすすめのカウンター席。記念日や法事などコースメニューも対応可能です。

ちょっと隠れたスペースにあるカウンター席

丹波食材たっぷり!ジューシーな甘みが旨い丹波栗きん豚のとんかつも

丹波栗きん豚の「栗きんとんかつ」1,350円 (税込)

 

さらに米や黒豆、栗など丹波の恵みもふんだんに取り入れています。中でも、丹波栗を食べて育った「丹波栗きん豚」の「栗きんとんかつ」はやわらかな食感と脂身の甘みが大人気。身近にある丹波素材を友人家族や近所の畑から直接仕入れることも多く、新鮮な食材が味わえるのもキッチンたわやの自慢です。


鮮魚のカルパッチョ (コース料理中の1品)

 

夜メニューには鮮魚のカルパッチョや唐揚げといったお酒に合う一品料理もたくさんありますが、実はランチメニューを頼むこともできるんだとか。食後のシフォンケーキは奥様の手作りで、季節によって栗や黒糖、きな粉などと味が変わるのも楽しいですね。

手作りシフォンケーキ 350円 (税込)

「背伸びしないでかっこつけずに。地域に根ざして、丁寧に当たり前のことを当たり前に続けるのが肝心」と田和さん。「大切な人たちとの時間を料理で彩って、自分を育ててくれた丹波に恩返しできれば嬉しい」と、今後も春日町に笑顔をもたらしてくれるでしょう。

店内にはスタッフがiPadで描いた絵も飾られている

text: 新宅裕子

 

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