大きくておいしい完熟イチゴに出会えるイチゴ狩り農園

あぐり丹波3Dイチゴ園

氷上町でイチゴ狩り農園を営む「あぐり丹波」は、丹波市および近隣市の方に長く愛されています。いまや、兵庫県内各地からのお客様も多く、さらには大阪や広島などの遠方客、そして海外からの観光客も足を運ぶ、名所になっています。

ナノバブル水を使って、大きなイチゴを栽培

2000年(平成12)に開園したあぐり丹波は、丹波市卸売市場を運営する株式会社東兵庫魚菜が母体。当時イチゴ狩りは今ほどメジャーではなかったそうですが、久下聖太社長は、採れたての完熟イチゴをその場で楽しんでもらえる観光要素に着目したといいます。

イチゴ狩りのシーズンは、概ね1月から5月頃までです。年によっては、12月からスタートしたり、ゴールデンウィーク明けに終わることもあるとのこと。品種によって、早い時期に熟したり、後半に赤い実をつけたりと様々ですが、だいたい3月頃が全ての品種のおいしさがそろう頃だそうです。完全予約制なので、ホームページやSNSをチェックして、早めに予約されることをおすすめします。
イチゴの品種はその年によって変動しますが、2024年(令和6)は以下の5種を育てています。「かおり野」は早めに実がなる早生品種で、果肉はかためですがジューシーで甘みが強く、酸味はさほど感じません。実が大きく、中が白いのも特徴です。

甘味と酸味のバランスが良い「おいCベリー」と「紅ほっぺ」は、果肉が赤く、ケーキや和菓子などのスイーツとの相性抜群。そのほか、酸味がなく果肉がやわらかいので小さい子どもにも食べやすい「章姫」、後半にかけて赤い実を成らす大粒で甘味の強い「やよい姫」。これら5種を13棟のビニールハウスで育てています。食べ比べするのも楽しいですし、期間中に何度も訪れるリピーターさんの中には、月ごとに1種類を狙い定める人もいて、それぞれの楽しみ方があるようです。
受付での会計と、スタッフさんからの説明を終えたあと、自由に13棟を行き来して、60分間いちごを食べ放題。食べきれなかった場合は、計り売り(100gあたり250円)で購入して持ち帰ることも可能です。

開園当初からこだわっているのが、栽培時に使う「水」。地下水を専用の機械にかけて、水の中に非常にきめの細かい泡を入れた「ナノバブル水」を使って栽培しています。水の中に酸素がたくさん含まれているため、根が効率的に育ち、肥料も浸透しやすくなるそう。

おいしいイチゴのために毎日徹底管理

同園のイチゴは「でっかい、デリシャス、だいすき」のDをとって、「3Dいちご」と称しています。お客様により喜んでもらいたい、楽しんでもらいたいという思いで、食べ応えのある大きなイチゴを育てる手間を惜しみません。肥料や温度管理を徹底したり、不要な葉っぱや茎、傷んだイチゴを取り除いたりと、毎日小まめにチェックします。そのうえ、ナノバブル水を使用して栽培することで、栄養や酸素を効果的に行き渡らせ、成長をうながしています。

ちなみに、大きさと甘さは必ずしも比例しないので、大きいから甘いというわけではないそう。甘いイチゴの見極めは、実は簡単ではないそうですが、概ね、1.上から先っぽまで真っ赤になっていること。2.ヘタがそりあがっていること、がポイント。さらには、3.ヘタのすぐ下の部分がヒビ割れているものを見つけたら、完熟のサイン!熟した重みで表面が裂けているヒビで、もはや出荷できないほど熟れているので、通常その状態になるまで放っておくことはないそう。なので、出会えたらラッキー!完熟を食べられるのも、イチゴ狩りの醍醐味です。

お客様の言葉に支えられて

イチゴを食べるときは、ヘタを取った頭の部分から食べるのがオススメ。細い先の方が甘いので、頭から食べると、最後まで甘みを感じておいしく食べきれます。ヘタは地面やプランターの中に決して捨てないこと。受付時にもらったトレーに入れて、最後はゴミ箱へ。マナーを守ることも、おいしくイチゴを食べるポイントです。また、受付では練乳の販売も(250円)ありますが、持ち込みも可能なのだとか。ホイップクリームやザラメ糖を持ってくる人もいるとのこと。スタッフの久下尊也さんは、「自分は何もつけずに食べるのが好きですが、ビターチョコレートをかじった後にいちごを食べると、すごく甘く感じます」と、教えてくれました。

イチゴ狩りをしなくても、イチゴだけを購入しに訪れる人もいます。受付のところには、採れたてのいちごが直売用として置かれています(1パック750円)。予約なしで購入することも可能ですが、売り切れたり、販売がない日もあるので、SNSで確認してから訪問したり、事前問い合わせや予約するのがおすすめ。

「当園では、お客様にもっとおいしいイチゴを楽しんでもらえるよう、イチゴの質を上げることに力を注いでいきたいです」と、スタッフの久下尊也さんは話します。
お客様の中には、恒例行事のように毎年訪れる人もいるそう。「『今年は例年より甘くないね』という言葉をくださるお客様もいて。それが『もっとおいしいイチゴをつくろう』というモチベーションになっています」と、久下さんはお客様からのじかの反応がうれしいと言います。また、イチゴの品種によっておいしさのピークは異なるので、シーズン中は毎月通ったり、キロ単位で購入して帰る人もいるとのこと。多くのお客様に愛されていることが分かります。

なお、受付では、こちらのイチゴを100%使用した「いちごジャム」(1瓶700円)も販売しています。イチゴの実がごろごろ感じられる、粒の食感を残した甘さ控えめタイプ。こちらも人気で、箱入りでお土産として買って帰る方も多いのだとか。自家製イチゴジャムをつくりたい人は、日によってはジャム用イチゴ(1パック350円)の販売もあるので、要チェックを。

 

<注意事項>

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