手びねりと電動ろくろを体験できる陶芸教室

ひのくら陶工房

ひのくら陶工房は紅葉が有名な古刹・高源寺のすぐ近くにあります。岩屋山のふもとの道を進むと、この先に本当に工房があるのかと一瞬不安になりますが、牛舎を越えたあたり、行き止まりの手前にその建物がありました。工房の主人で陶芸家の藤井清さんは、この自然に囲まれた場所で作陶に励みながら、陶芸教室を行っています。

器づくりを楽しんでみよう

年齢を問わず陶芸を体験してみたいという人は多いですね。手軽な手びねりで体験できるところが多いようですが、藤井さんの教室では、手びねりと電動ろくろ、どちらでもチャレンジすることができます。少人数で丁寧に教えてもらえるからこそのメリットです。

まずは、お椀やコップ、平皿など、作りたいものの形や色を決めます。参考になる写真を持っていくとイメージしやすいですね。そのうえで、粘土は白土か赤土を選びます。白土は色が鮮やかに出るのが特徴。赤土は鉄分が入っているため渋みのある色が出せます。釉薬は2色まで選べるので、配色を考えるのも楽しい時間です。

粘土で形を作るところからスタート。手びねりの場合は、器なら粘土のかたまりを平らに伸ばしたり、まわりを立てたりして形を作っていきます。オブジェのようなものなら粘土遊びの要領で自由に思い描いた形に近づけていきます。

電動ろくろは、足で回転スピードを調節しながら、指先の繊細な感覚を頼りに形を作っていきます。見た目は職人さんのようにかっこいですが、実際にやってみると、なかなか思うような形にならなくて、その分おもしろさが増します。
陶芸教室は1回約1時間30分、料金は1点につき1,500円。成形ができたら、あとは藤井さんにお任せです。

完成した器が届く楽しみ

成形した器は2日ほど自然乾燥させて、器の土台となる高台を削ってさらに乾燥させてから700度で素焼きします。

その上に依頼通りに釉掛けをして1,230度で本焼き。焼き上がりまでは約1カ月で、丹波市内なら代表の方にお届け、市外の方は引き取りに来てもらうか着払いで送ってもらえます。どんなふうに仕上がっているか、わくわくしますね。

子どもさんが作った器です。かわいらしくて温かみのある作品ですね。

出前陶芸教室も開催

陶芸教室参加者の作品

学校の体育館や教室、事務所の会議室などへの出張指導も行っています。とくに参加定員は決まっていないので、希望があれば相談してみましょう。

左から成形、素焼き、完成

出前陶芸教室は手びねりを指導します。丹波市内は通常料金のみ、市外は交通費が加算されるだけというリーズナブルな設定。青垣まで行けない人やイベントなどでも陶芸を楽しむことができます。

青垣限定販売のオリジナル

藤井さんは、今の丹波篠山市生まれです。桑沢デザイン研究所で学んだ後、京都の清水焼の師匠のもとで修業を積み、縁あって丹波で工房を開きました。自分で釉薬を作り、独自の色を出した作品は、落ち着いたトーンのものから鮮やかなものまで、独特の風合いがあります。

器の内側が美しく輝いた作品。使うのがもったいないようなきれいな色です。器、小物ともに量産もできるので、飲食店などのオーダーもうけています。

小皿500円、箸置き300円

丹波土産として人気なのが、栗の形の箸置きと小皿。工房の他に、近くの栗農園「ひろちゃん農園」でも販売しており、栗拾いにやってくるお客さんが買い求めていくそうです。

飯腕 1,800円

毎年11月3日前後に開催される丹波の「もみじめぐり」の期間は、高源寺の出店でも藤井さんの作品が販売されます。アマゴの塩焼きの出店の横にあるので、紅葉狩りの後に立ち寄ってみましょう。

予約制でほぼマンツーマンで指導してもらえるから、体験してみたい人はもちろん、継続して習い続けることもできます。生徒さんの中には、年に1回の陶芸教室を家族の行事のように、10年以上親子で通っている人もいるそう。「焼物の魅力、創作の楽しさを伝えたい」と、あたたかく迎えてくれる藤井さん。陶芸に興味がある人は、まずは電話で問い合わせてみましょう。新しい趣味を始めるチャンスです。

 

<注意事項>

  • 新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、教室内でのマスク着用、手指の消毒、ソーシャルディスタンス等に配慮しています。ご協力をお願いいたします。
  • 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。