柏原八幡宮から徒歩3分、駅に抜ける目抜き通りに位置する「パンの蔵 穂音」は、地元客はもちろん、観光客も立ち寄る街の愛されパン屋さん。夕方には学校帰りの学生達が立ち寄るため、閉店まで賑わいをみせる人気店です。およそ40種類のパンを出来るだけ売り切れることのないよう、朝早くから夕方まで、一日中、パンを作り続けています。
パンは生きもの。時間との勝負で作り上げる楽しさはやめられない
パン作りを一手に引き受けるオーナーの斎藤さんは、美食の街である神戸出身。日常から無意識に美味しいものを食べていたせいか、自然と飲食業を志すことになったそう。特に朝ごはんに選ぶことが多かったパンを「自分でも作りたい」と思い、神戸で10年間修行、のち、2015年10月、当地で独立・開業しました。
パン職人の朝は早く、作業は4時からスタート!およそ40種類のパンを生地から作り始めます。「パンは発酵に一番時間がかかるんです。特にフランスパンは24時間発酵させるから、前日から仕込まなければなりません。出来上がるまでの時間が長いんですよね」そう語る斎藤さん。家に帰るのは毎日22時過ぎで、翌朝、また4時から作業が始まります。大変じゃありませんか?と聞いたところ、
「もちろん大変ですが、辞めようと思ったことはないんです。パンを作ることが楽しんですよ。パンは生き物で、時間と共に状態が変わっていく。それを観察しながら、一定のクオリティに仕上げていく喜びの方が勝ります」そう笑顔で語りました。
地元和菓子屋さんとのコラボ商品。地元客、観光客に大人気のあんぱん
開業時に拘ったのが、地元の食材を使うこと。粉は兵庫県産の小麦を取り入れ、小豆、黒豆などはもちろん丹波産。卵、牛乳なども、出来るだけ地産地消にこだわりました。中でも一番人気は「丹波大納言小豆あんぱん」。ご近所の老舗和菓子屋である「明正堂」で作られた餡が、ぎっしり詰まった贅沢な一品です。
大きな小豆がたっぷり入っており、丁寧に作られた上品な甘さで、しっとりと作られたパン生地とベストマッチ!やや大きめに作られているため、これ一つで満足度も抜群です。お互いの強みで相乗効果を出し、地域一体でコラボすることも、繋がりを大切にする丹波ならでは。
惣菜パンは約40種類!お腹を空かせた会社員や学生達の強い味方
見た目のインパクトと変わり種食パンとして人気なのが「ラウンド食パン」。カマンベールチーズが折り込まれていているチーズ味と、甘党に人気なメープル味の2種類が定番ですが、季節限定の商品も出ているので、観光客がお土産に買っていくことも多いのだとか。
場所柄、会社員や学生も多く、他のパン屋さんより惣菜パンが多いのも特徴のひとつ。「お昼ごはんとして買っていくお客様が多いので、なるべくボリュームのあるパンを提供しています。夕方に来られる学生さんも、お腹を空かせて立ち寄ってくれるので、すぐにお腹が満たせるようなボリュームのあるパンが人気ですね」
丹波の良さを広めたい。パンを通して地域への恩返し
今後はこの地で引き続き、街のパン屋さんとしてお店を続けていく傍ら、丹波の良さを広めるためのPRも積極的に行いたいと話します。
「この地で、長くお客様に愛されていることに恩返しをしたいです。今までもいくつかのイベントに参加していたのですが、今後も外に向けての発信をしていきたい。丹波の食材を使ったパンを通して、丹波の良さを伝えられたら」インタビュー中もパン作りの手を止めることなく、熱く語ってくれました。