2022年(令和4)3月、青垣の旧神楽小学校を活用した複合スペース「FORESTDOORしぐら」に新たに「カフェ・シュエット」がオープンしました。小学校の教室の雰囲気を残した店内で、吉住知容さん、理紗さん夫妻が、手作りの料理とスイーツを提供。もともと二人は2021年(令和3)9月から、氷上町でチーズケーキをキッチンカーで販売していました。それが話題になり、今回の出店につながったのです。
小学校時代の思い出がよみがえる店内
地域で育った人にとって、神楽小学校はとっても思い出深い場所。閉校になって子どもたちの声が消えても、また別の形で活気が戻ると、少しは寂しさがまぎれるというもの。そんな思いをくみ取って二人は学校らしさを大切に、店内のインテリアや雑貨にも心配りをしています。
前の黒板には日直として二人の名前、後ろの黒板には週替りのメニューがチョークで書いてあります。
先生が教壇で実際に珠を動かしていた大きなそろばん、さわってみたいと思っていませんでしたか?
視力検査は5mの位置にある足型の上に立って、計測します。今月のテストとして、毎月違ったテストが置かれているので、ぜひチャレンジを。
跳び箱も椅子に使えば、なんだかおしゃれで子どもたちが喜んで座るそうです。かつて授業で使われていたものが、学校の倉庫に残っていたため、昭和30年代から40年代に使われていた顕微鏡などもさりげなく置いてあります。
テーブルにある連絡帳はお客さんがコメントを残し、二人が赤ペンで返事を書き込んでいます。先生に花マルをもらいたくて一生懸命書いたことを思い出します。
野菜たっぷり手作りランチ
週替わりランチ(飲み物付き)1,300円
週替りランチは、主食、主菜、汁物、副菜2種類と給食を意識したヘルシーメニューです。野菜はなるべく地元のモノを使い、栄養もばっちり。
主食は「じいちゃん家のお米」ですが、これ、ブランド名ではなく、知容さんのおじいさんが作っているからなんです。子どもの頃からおじいさんのお米を食べていて、一番おいしい、と自信をもって提供。長年米作りをしてきたおじいさんは、とっても丁寧に大切にお米を育てているそうです。その経験と知恵の結晶であるコシヒカリは、ふっくらして甘みがあって、たしかに抜群の味でした。
つくねは、味噌、大葉、甘辛タレの3種類。新じゃがの甘さを生かしたポテトサラダ、ひじきはさっぱりドレッシングであえて、ボリューム満点です。他にも主菜の人気はハンバーグ。副菜はいろいろなものが登場します。
パスタランチ(スープ、サラダ、ドリンク付き1,200円)
他にも自家製トマトソースのパスタやお子様ランチ(500円)などもあります。
カフェタイムはスイーツとともに
ケーキセット(スイーツ+ドリンク)800円、チーズケーキプレート450円
カフェタイムにはスイーツ目当ての人が訪れます。人気のチーズケーキは、丹波市春日町の養鶏場の新鮮な玉子を使って、甘すぎない、しっとりとしたタイプで、プレーン、いちご、チョコ、抹茶、季節限定の5種類。他にはシフォンケーキやプリンもあるので、ドリンクとセットでオーダーしてゆっくりしたいですね。
コーヒーは厳選した豆を深煎りしたもので、苦味と酸味のバランスがよくて深い味わいです。カップは丹波焼の雅峰窯のもの。パステルカラーが印象的な人気の窯元です。
スイーツはテイクアウトや移動販売も
チーズケーキ(各300円)
移動販売のチーズケーキを忘れられない人に朗報。知容さんのお母さんが勤めを辞めて、販売に専念してくれています。販売場所はいくつかあって、インスタグラムで確認できます。店内でも同じものが買えるので、ちょっとした手土産にいいですね。アイスキャンデーの棒に刺したチーズケーキは、手を汚さずにそのまますぐに食べられるのが魅力。広い校庭で食べてもいいかも。
神楽小学校の活用は地域みんなの願い。地域に飲食店が少ないので、平日のランチに利用したり土日に帰省した家族と訪れたり、観光客にも口コミで徐々に広まっています。「70年以上前に卒業したという人が来られて、当時のことを話してくださいました」と知容さん。世代を超えた地域の交流の場としてもさらににぎわいそうですね。
<注意事項>
- 新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、店内でのマスク着用、手指の消毒、ソーシャルディスタンス等に配慮しています。ご協力をお願いいたします。
- 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。