今から準備!振袖で思い出に残る成人のお祝いを

きもののほそみ

18歳から成人となっても、やはり二十歳(はたち)という響きは特別なものです。特に女子にとって成人式(二十歳の集い)のイベントは晴れやかなもの。親御さんにとっても成長した娘の晴れ姿を見るのは感慨深いものです。そんな感動的なシーンを数多く演出し、見てきたのが、1921年(大正10)創業の老舗呉服店「きもののほそみ」の細見匡彦(ほそみ・ただひこ)社長です。

反物から仕立ててもよし、300点以上のレンタルから選ぶもよし

成人式に振袖で参加したいと思った時、迷うのがレンタルか購入かです。どちらにしてもまず一度、着物を実際に見てみたいですね。初めての振袖、どんな色や柄が似合うのか、どう選べばいいのか、お母さん世代も着物に明るくないことが多く、親子で悩んでしまう人もあるようです。肌着は?小物は?と考えるとわからないことだらけ。
でも、呉服屋さんに行くのは少し敷居が高いですね。「今、着物は日常ではなかなか目にしたり触れたりしないもの、知識がなくて当たり前です。見るだけでも知識になるので、遠慮なく相談に来てください」と細見さん。ヘアメイクにどのくらい時間がかかるのか、車の乗り方、椅子の座り方など、当日の準備から所作まで、いろんなアドバイスがもらえます。

相談に行くと、まず30分ほどかけてヒアリングが行われます。好みの着物があればそれを聞き、わからなければ普段の洋服の好きな色やテイストを聞き、着物のパンフレットを見て好みを絞りこんでいきます。あるいは、お任せで「似合うものを選んで」という人の希望にも応えます。

レンタルの予算は平均すると20~25万円。髪飾り以外はすべてセットだと聞いて、肌着や紐は?とたずねると、「肌着セットをプレゼントします」とのこと。帯芯、帯締め、紐、足袋まで入っていると聞いて驚いていると、「次に着物を着るときに使ってほしいので」と細見さん。着物を好きになってほしいという思いが伝わってきました。

レンタル用の着物とは別に反物もたくさんあるので、購入することもできます。値段は30万円くらいから上はいくらでもあるのが着物の世界。ゆっくり時間をかけて選んで、仕立て上がりを楽しみに待ちましょう。

お母さんが着た振袖をお嬢さんが着る場合は、事前に着物の状態をチェックしてもらえます。傷みや色やけがあれば手入れをして、身長が違う場合は着丈などもお直し可。クラシックな柄でも、帯締めや帯揚げ、半襟を変えるだけで、がらりと雰囲気が変わります。お母さんの思い出の着物、ぜひ活用したいですね。

さらに、「レンタルでも購入でも、訪問着の反物を差し上げます」という驚きのコメント。思わず、訪問着って高価ですよと声に出してしまいました。お祝いごとなど、あらたまった場所に着ていける訪問着は、大人の女性の正装として持っていると本当に便利です。「裏地や仕立て代は必要ですが、訪問着が必要になった時に仕立ててもらったら」と、なんとも太っ腹な言葉です。

専用スタジオで前撮りもおまかせ

振袖のレンタルや購入のお客さんは併設スタジオで前撮りもできます。プロによるヘアメイク、着付けもセットになったプランで、2026年(令和6)の成人に向けた前撮り日程も決まりました。早めに着物を選んで、成人式本番の予行演習がてら前撮り日程をおさえることをおすすめします。100~150枚、シャッターを切った中からお気に入りの写真を選ぶシステム。レンタルの人は1枚、購入の人は2枚ですが、別料金でアルバムも作れます。親や祖父母の分もセットになったプランもあるので、記念にみんなの分も注文したいですね。

この時に、細見さんが提案するのが、家族写真を撮ること。「お母さんも着物を着てお嬢さんと一緒にカメラの前に立ってみませんか、いい記念になりますよ」と細見さん。お母さんは着物持参なら着付けは無料、レンタルにしてもリーズナブルな価格です。華やかな晴れ着を着て、家族みんなの笑顔がこぼれたところへ、サプライズも用意。笑顔あり感動の涙ありの、フォトタイムになります。

お母さん世代も着物を楽しむ機会を

「振袖を着るお嬢さんだけでなく、お母さん世代にも着物を好きになってもらえたら」と細見社長は、さまざまなイベントや簡単に着られる着付け教室を開催。

イベントで、毎月1回開催される「和の会」では、例えば「きものdeランチ」は、京都・貴船の川床で食事をしたり、祇園祭に行ったり、南座の顔見世を観に行ったり、着物パーティをしたり、着物を着る機会を作って、みんなで楽しみます。時節柄少人数での開催が多く、またスタッフが気配りしてくれるので、一人で参加しても、すぐに他の参加者と仲良くなれそう。

着付け教室も週一回開催しており、10回通えば訪問着まで着られるようになります。腰ひもではなく、専用のゴムがついたひもを使うので、長時間着ていても疲れにくいそうです。帯は前で形を作ってから後ろに回す「前結び」の方法なので簡単です。

お嫁入りの時に作った着物をタンスに眠らせておくのはもったいないですね。どんな場面にどの着物がいいのか、どの着物のどの帯を合わせればいいのか、小物持参で相談することもできます。何十年か前の、しつけがついたまま、畳紙に入ったままの着物をそのまま置いておくのはもったいないですね。定期的に着物のクリーニングイベントもやっており、期間中は通常1万円くらいする丸洗い代が3,000円に。カビやシミの相談もできるので一度持っている着物の総点検をしてみるのもいいですね。

同店には、産着に七五三の着物、普段着の着物、浴衣、ブランドものの和装小物なども含めて、着物まわりのいろんな物があります。「着物のことを気軽に相談できる存在でありたい」と、社長をはじめスタッフの皆さん。

 

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