人と地域を繋ぐ場所やイベントを企画・運営。楽しみながら地域を盛り上げたい

Keny Design Office

「地域の繋がりをデザインする」をコンセプトとする「Keny Design Office」の代表で、クリエイティブディレクターの清水健矢さん。2019年7月、大阪から丹波市に移住し、移住歴4年を越えました。移住後、観光サイト「Tamba Style」の運営、「水分れ茶屋 by Amhara Coffee Stand.」(以下、水分れ茶屋)・「みわかれマルシェ」の企画運営、企業のPRデザインなど、独自の手法で、丹波市の企業や店舗、人の魅力を発信してきました。2023年3月に、古民家コワーキング施設 “Tamba Creative HUB”を開業し、清水さんの勢いはとどまるところを知りません。

清水健矢さんってどんな人?

清水健矢さん

清水健矢さんは、1995年大阪生まれの28歳。大阪府立大学(現・大阪公立大学)で社会学を学び、在学中はオーストラリア留学をきっかけに、バックパッカーとして世界中を巡りました。その後フランスにも語学留学をしました。大学卒業後は、一般企業に就職して優秀な成績をあげながらも、自由を求めて4カ月で退社し、自営業を始めます。その後、大学時代の教授とエチオピアに渡航し、ミニマニストとして目覚めるだけでなく、コーヒー文化についても学びました。2018年には、大阪府茨木市のショッピングモール内にある一部テナントスペースで、ポップアップストアとして、「アムハラコーヒースタンド」をオープンするなど、次々と思いを形にしていきます。

2019年7月、大阪から丹波市に移住し、地域おこし協力隊として活動を始め、自らが取材、撮影をして記事にする観光ポータルサイト「Tamba Style」(https://tamba-tourism.com/)を立ち上げました。このサイトは、丹波市で活動している人の「想い」や「ストーリー」にフォーカスした「人」に会いに行けるようなサイト。この取材を通じて、丹波にあるたくさんのお店や人を知り、魅力を感じて、マルシェ開催へとつながるきっかけになったそうです。
現在は多岐にわたる事業展開をして、クリエイティブ/マーケティング事業として、「丹波WEB CREATION」で、ウェブ制作、写真撮影、クラウドファンディング、マーケティングに関することなどを手がけています。地域活性化事業としては、コーヒースタンド経営、地域イベント企画運営、コワーキングスペース経営などに着手しました。

コミュニティコーヒースタンドの運営

営業日はウェブサイトで確認

2020年4月に、コミュニティコーヒースタンド「水分れ茶屋」(https://amhara.keny.jp/)をオープンしました。これは、空き家として放置されていた建物をクラウドファンディングで資金を集め、地域の方と一緒にリノベーションを行い、ポップアップストアだった「アムハラコーヒースタンド」を実店舗にした形。背景には、「丹波地域の豊かな自然と食材、文化をお客さんに知ってほしい」「ホンモノのコーヒーを多くの人に知ってほしい」「.多くの方にとっての自分の”居場所”を提供したい」という想いがありました。開店したことで、この地域に人が集まり始め、賑やかになったそうです。

コーヒーのイメージを一新するスペシャルティコーヒーを提供

丹波ケニーラテ(H/I)500円

「水分れ茶屋」では、コーヒー豆の栽培、収穫、選別、焙煎、淹れ方までにこだわり抜いたスペシャルティコーヒーを提供しています。
最高のコーヒー豆と、地元酪農家からの生乳で作る新鮮で濃厚な牛乳「氷上牛乳」で作る「カフェラテ」がおすすめです。

水分れ茶屋 by Amhara Coffee Stand.
・所在地 〒669-3464 兵庫県丹波市氷上町石生526
・営業時間 土・日曜10:00~16:30 ※営業日はウェブサイトで確認
・URL https://amhara.keny.jp/

各種マルシェのプロデュース・企画開催

みわかれマルシェのようす

出店者を逆指名して開催するマルシェ

清水さんは今まで、多くのマルシェのプロデュースを行ってきましたが、その最たるは「みわかれマルシェ」(http://miwakare-marche.com/miwakare/)。丹波市水分れ公園前を会場に、毎月第1日曜日に丹波自慢のお店が約10店舗集まるマルシェです。2020年10月から、年2~3回、3年間で10回開催しました。

パンをテーマにした回も

特徴は、丹波市と丹波篠山市在住で、安心安全な食べ物を中心に、その作り手がお客さんとお話しながら売ることができるお店。毎回500~600人を集客し、多いときは1,000人ものお客さんが訪れる人気のイベントになりました。
「水分れ茶屋、みわかれマルシェを継続的に行うことによって、地域ブランディングに成功し、多くの方が集まり、にぎわいを創出できたことがうれしいです」と清水さんは話します。

地元企業へのデザインやマーケティング支援

1,300万円集めたクラウドファンディング「一合炊きかまどごはん」

代表を務める「丹波 WEB CREATION」は、地域に密着し、ウェブを中心として、戦略から制作・運用分析までをワンストップで行い、集客や売上向上を実現する会社。一つの会社だけでなく、丹波市全体の地域振興に貢献したいとの思いで、HP制作、グラフフィックデザイン、写真撮影、動画制作、クラウドファンディングの支援を行っています。作家さんのマーケティングとして実施したクラウドファンディングでは、ディレクション、写真撮影、文章作成、全体構成を担当し、約1,300万円を集めたという実績もあります。

古民家コワーキング施設 “Tamba Creative HUB”を開業

丹波市青垣町の古民家を改修

2023年5月には、築100年以上の古民家を改修した施設 “Tamba Creative HUB” (https://onaza-creative.com/)をオープンしました。こちらは、コワーキングスペース、コミュニティスペース、シェアオフィス、テントサウナを併設した丹波市初の複合施設です。

木の温かみが伝わる施設内

窓から周りの風景が見える

この施設の特徴は、まず豊かな自然に囲まれた環境であること、一人当たりのスペースが広いこと、また、テントサウナを備えていることなど。仕事が楽しくなる空間だけでなく、人と人が繋がる場所を提供しています。地元で起業する人を応援する施設としても機能していて、ハード面だけでなく、ソフト面も充実させ、トークイベントも積極的に開催しています。

Tamba Creative HUB
・所在地 〒669-3822兵庫県丹波市青垣町大名草520
・営業時間 8:00~21:00
・URL https://onaza-creative.com/

いろいろな経験を着実に形にし、実績を積んでいっている清水さん。「構想して実現するのが楽しいです。どうやったら地域が盛り上がるだろうかと、自分が社会実験している感じでしたが、結果的に地域のためになっていたのはうれしかったですね」。
デザインや古民家改修に携わる中で、建築デザインの理解を深めたいと思うようになり、2022年10月に、大阪芸術大学建築学科に入学しました。仕事をしながら学ぶ清水さんに、また一つ大きな引き出しが増えそうです。

 

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