氷上インターチェンジから車で南へ3分ほど、丹波の森街道(国道176号)沿いに「有限会社 伏見屋(TOOL SPOT フシミヤ)」があります。建築関連の工具、刃物、資材などがズラリと並び、早朝から現場に出かける前のプロのお客さんでにぎわっています。DIY好きの一般のお客さんも、プロが使う道具類を求めて多数足を運ばれるとか。人気の秘密を探りに、代表取締役の足立秀文さんを訪ねました。
明治時代から続くプロショップ
足立家の家系図を江戸時代まで遡ると「刀師」とある!
有限会社 伏見屋(以下、伏見屋)の歴史は古く、127年前まで遡ります。家系図によると、初代・足立秀吉さんは、1897年(明治30)に、山林の木を伐採する「鋸製造」をはじめたそうです。二代目は、鋸製造と共に、切れ味が悪くなった鋸の目を鋭くよみがえらせる「目立て」も行い、三代目・足立さんのお父さんは、刃物製造で有名な三木市で修業後、現在の場所に伏見屋を移転しました。
刃物の説明をしてくださる足立さん
4代目となる足立さんは、2001年(平成13)に法人化して代表を務めています。
フシミヤは、時代と共に営む内容は変化してきましたが、「プロが使う道具を扱う」ことに関しては、130年近くも脈々と受け継がれています。
目立て依頼で持ち込まれた「山林用手曲がり鋸」
丹波の山は、今も多くの木々が育っています。山林で大切な枝落としに使う刃物は、「雁頭鋸(がんどのこぎり)」から「チェーンソー」に進化しましたが、使い慣れた道具には愛着や使い勝手の良さがあります。長きにわたりプロ工具類を取り扱ってきたフシミヤにはさまざまなノウハウがあり、地元のお客さんからは頼りになる存在。つい先日も、現在フシミヤ社内では行っていない目立て依頼がありましたが、快く引き受け、専門の職人さんにお願いされるそう。常に、お客さんのニーズに合わせた対応が、信頼と実績に繋がっています。
プロ・アマ問わず頼れる秘密はスタッフにあり
ここ数年のDIYブームで、プロの業者さんだけでなく、SNSで情報を得たり、ホームセンターの商品だけでは物足りなくなった一般のお客さんが訪れることもしばしば。
店内には、電動工具をはじめ、草刈り機などの園芸用品や住宅資材に使われる建築金物といった商品が整然と陳列されているので、気になる商品をすぐに見つけることができます。
また、商品について、少しでも不安やわからないことがあれば、スタッフさんに丁寧に教えてもらえるのも嬉しいところ。というのも、伏見屋のスタッフさんは、新商品の発売に際してメーカーさんの勉強会に参加するなど、常に知識の幅を広げているからです。プロ・アマ問わず、見慣れない工具の使い方や、普段使っている道具がちょっとしたコツで長く使えることなどを惜しみなく教えてくれる伏見屋の秘密は、バイタリティあふれるスタッフさんにあり!でした。
鍵に関するお悩みも解決!
伏見屋は、鍵に関するお悩みもお手のものなんです。
「車の合鍵をつくりたい」、「久しぶりに使うスーツケースのキーが見当たらない」、「そろそろ子どもに家の鍵を持たせようかな」など、身近な合鍵に関するお悩みも解決してくれます。
特殊な鍵でも、店舗奥にズラリと揃った鍵の中から選び出し合鍵を制作。無くした鍵の開錠も相談に乗ってくれるので、「家の鍵を無くした!」といった緊急事態の時は、伏見屋のドアをたたいてみては。
また、大きな金庫の開錠は出張対応していただけるので、「番号を忘れた」といった場合も気軽に相談してはいかがでしょう。モノにもよりますが、約30分~2時間くらい目途で対応していただけるようです。過去に依頼を受けた金庫開錠では、苦戦してようやく開錠したものの中は空で、恐縮しながら料金をいただいたり、依頼者も目を見張るようなお宝が入っていて驚いたこともあったそうです。お手元に、長らく開錠できなくて放置している金庫があれば、一度、伏見屋へ連絡してはいかがでしょう。
取材中も急ぎのお問い合わせが!
足立さんは、建築現場などで働く職人さんから「インパクトドライバーの充電が切れてしまった」といった緊急連絡が入ると、自分でバッテリーを届けに行くこともあるそう。「道具が使えないと、仕事ができませんからね」と、お客さんにできることは可能な限り対応しています。
足立さん(後列右)とスタッフさん
足立さんの背中をいつも見ているスタッフさんが、「足立社長は、無理難題にも常に誠実にチャレンジする、とても頼りになる存在です」と言われていました。足立さんの“ひととなり”も、スタッフさんの向上心を高めるのに一役買っている印象を受けました。そんな伏見屋は、地元の方々に愛される素敵なTOOL SPOTです。
<注意事項>
- 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。