柏原駅から徒歩10分ほど。176号線沿いの中国料理店「大連飯店」は、来年(2021年)で40周年を迎えます。ランチタイムはビジネスマンや女子会で賑わう人気の裏側には、若き6代目、料理長・田淵楓さんのひたむきな姿勢と新しいものを取り入れるフットワークの軽さがありました。
税込み1,000円で満足チャージ! 毎週楽しみ「ウィークリーランチ」
多くの人が注文するウィークリーランチは、週替りのメインメニューにご飯、サラダ、スープ、ミニデザート+コーヒー or ムレスナティーがセットになっています。平日は、ご飯とスープのおかわりは自由。ビジネスマンのお客さまも多いので、午後の仕事に差し支えないように「がっつり」と「さっぱり」を両方叶えるメニューを心がけているのだとか。
「丹波栗食べ歩きフェア」期間限定! 初食感の栗に驚くびっくりメニュー!
取材チームが注目したのは、「丹波栗と但馬どりのカシューナッツ炒め」。2020年9月19日(土)から11月8日(日)まで開催される「丹波栗食べ歩きフェア(http://tambaguri.com/)」の期間限定メニューです。
開発された新メニューは、大粒の栗がゴロゴロ入って食べごたえがありそうです!
但馬鶏は醤油ベースで味付けられて甘辛く、ご飯との相性もピッタリ。ネギの甘さとカシューナッツの食感が楽しいアクセントに。特筆すべきはやっぱり栗! まずホクホクの食感が広がり、噛みしめるとびっくりの、ふんわりした柔らかさ。「こんな栗、食べたの初めて!」と思わず声が出ます。筆舌に尽くしがたいとはまさにこのことなので、是非実際に味わっていただきたい一皿です!
丹波栗食べ歩きフェアは、毎年秋に開催される人気イベント。開催中、毎年メニューに登場するのが「丹波栗と秋鮭の炒飯」です。楽しみにしているお客さまも多い人気の味が、今年も食べられるとあって、早くも話題に!
お家でお外で、テイクアウト大連飯店メニュー!
中国料理には、唐揚げやシュウマイ、春巻きなど大人も子どもも大好きだけどちょっと手間がかかるようなメニューが多くあります。大連飯店では相談に応じて幅広くテイクアウトに対応。時節柄もあって、人気なのはやっぱりお弁当。
お弁当は1,000円と1,500円の2つの設定があり、基本的にはおまかせメニューですが、「唐揚げを入れてほしい」「辛いものを控えてほしい」などのリクエストに応えています。またご飯大盛り、おかずのみなど、お好みのスタイルで楽しめるのもうれしいところです。
ちょっとずつ色んなものが食べられる大人気の「9マス弁当」は、1,500円~予算に応じて用意。
食べることは生きること、生きることは食べること。料理長・田淵楓さんの思い
1981年、この「大連飯店」が生まれたときの経営者は楓さんのお爺様でした。開店当時は料理人がチームを組んで厨房を担う高級北京料理店でしたが、時代の流れとともに気軽に入れるお店へと変わってきました。
「初めは家族の思いを感じ、使命感のような形でお店に入りましたが、今は自分の意志でどんどん『やりたいこと』を取り入れています」
子育てしながら中国料理店の厨房に立つ多忙な毎日の中、「子育て中の自分だからこそできることをしよう」と、常に食べる人の健康を考え、良質な素材を使うこと、多種類のメニューを少しずつ楽しめるようなメニュー設計をすることにこだわっています。
食体験ワークショップ「EdeN+」のはじまり
昨年、2年間の学びを実らせ「営養薬膳師」の資格を取得。「営養薬膳師」とは、中医学理論と薬食同源の伝統を持った中国料理の調理法を学び、それぞれの食材の持つ食効(薬効)を生かし健康増進に寄与することを目的にした国家資格です。
資格取得で得た食材の知識を多くの方に伝えたいと、2020年から食体験ワークショップ「EdeN+」を始動。水キムチや甘麹を作るワークショップなど、美味しく楽しく、食の知識も学べる機会を提供しています。また、「EdeN+」として地域のイベントにも出店し、食材の食効を考えたお弁当やスイーツなどの販売も行っています。
「生きることは食べること、食べることは生きることにつながっている、ということを感じてもらえるお料理を心がけています。体によくて美味しい、と喜んでくださるお客様の顔を見るのが嬉しい時間です」と語る楓さん。季節に合わせた新メニュー開発や、知識を生かしたメニュー、ワークショップの開催など、さらなる大連飯店さんの進化から目が離せません。
text:済木麻子