和の空間でイタリアンを。丹波の野菜にこだわる人気レストラン

Olmo(オルモ)

JR福知山線・柏原駅から歩いてすぐの場所にある古民家レストラン。玄関で靴を脱いで中に入れば、隅々まで丁寧に整えられた心地よい空間が広がります。地元の人はもちろん、京阪神から訪れる人も多いイタリアン「Olmo(オルモ)」の、その魅力とは。シェフの成田さんにお話しをうかがいました。

都庁の職員を経てイタリアンのシェフに

シェフの成田真也さん

「いらっしゃいませ、お待ちしていました」。

朗らかな笑顔とともに迎えてくれた、成田シェフ。青森で生まれ、都庁の職員として勤務し、オーストラリアでのツアーガイドを経て現在に至るという異色の経歴の持ち主です。

かつては、食に携わることになるとはまったく思っていなかったのだそう。けれども、ツアーガイドをするうえで欠かせないレストランの案内を行う中で「食事っていいな」と純粋に感じたことで、本格的に学ぼうと一念発起。帰国して大阪の辻調理師専門学校へ入学します。

卒業後は、大阪・肥後橋の老舗イタリア料理店で約6年間勤務。イタリアンにおける技法や味わいの作り方などをしっかり身につけたのち、地方でじっくりレストランをやってみたいとの思いを叶えるべく、妻の出身地であった丹波市へ移住しました。

「2000年(平成12)にオルモという店ができた、ということは聞いていたんです。その後丹波に遊びに来た際には食べに行くことを繰り返し、いいなぁと思いがつのっていきました。オープン2年後の2002年(平成14)にはスタッフとして入ることができ、1年後にはシェフとなって今に続いています」。

なにより大事なのは丹波の野菜たち

丹波野菜と丹波地鶏の前菜

成田シェフがとくにこだわっているのが、丹波でとれた野菜を使うこと。シェフに就任した2000年代初頭には地産地消は今ほど注目されず、輸入野菜などを使うのが当たり前でしたが、せっかく食材の宝庫である丹波なのだからと地場の野菜を中心にシフトしていきます。

とはいえ、当時は洋野菜をつくる農家さんはほとんどなく、今では食卓の定番野菜となったズッキーニでさえ、農家さんに「つくっていただけませんか?」とお願いする日々。「出来たズッキーニが驚くほどの大きさだったこともありました(笑)」という繰り返しを経て、現在では4軒の農家さんを中心においしい野菜を安定して仕入れられるようになりました。

徳寿園のほうじ茶ベイクドチーズケーキと黒豆きなこのアイス

現在お店で使用する野菜は、レモンやケッパーなどを除いてすべて丹波のもの。このため季節の変わり目にはどうしても野菜が少なくなってしまいますが、「よそから仕入れるのではなく、ないときにはない、でもいいんじゃないかって。品数を少なくしたり、野菜の代わりに近海でとれたお魚をマリネにして出したりと工夫しています」と、丹波の野菜にとことんこだわります。

オルモのラグー タリアテッレ

お肉は但馬牛を使ったラグーやフィレ肉のステーキ、また丹波地鶏なども扱い、バラエティ豊かにラインナップ。スポット的にイベリコ豚や仔羊、仔牛などもお目見えし、いつ訪れても飽きさせないメニューです。

肩の力がふっと抜ける、すてきなお店

お料理はもちろん、すてきな内装もオルモの魅力のひとつです。昔は呉服屋さんだったという古民家をリノベーションしたこの内装、和モダンでなんとも現代らしい佇まいだと思えますが、実は2000年のオープン以来20年間ほとんど変わっていないというから驚きです。

滋賀県・長浜市にある観光スポット「黒壁スクエア」を手がけた建築家による、重厚でいてどこか軽やかで居心地のよい、絶妙な雰囲気。ひとりでじっくりお料理と向き合うもよし、数人でおしゃべりしながら楽しむのもよし、いろんな使い方にフィットしてくれます。

そこにいること自体を楽しませてくれるオルモ。多くの人にとっての肩の力が抜け、活力が養える場所であるのに違いありません。

「新鮮な丹波のお野菜にはエネルギーがいっぱいあります。野菜や料理から元気をもらう、そんなひと皿が作れたらと思っています」。

すてきな空間と、心のこもったお料理と、気持ちのよい接客。日常からちょっぴりエスケープ、そんな気持ちにぴったりです。

 

<注意事項例>

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