丹波の食卓を変える⁉ 新鮮な魚介がお手頃に!生け簀のある鮮魚販売店

山之魚屋

明石の魚介仲卸「八蔵水産」が直営する鮮魚販売店「山之魚屋」が、2021年(令和3)11月柏原町にオープンしました。これまで鮮魚専門の小売店が丹波にはほとんどなく、スーパーマーケットで切り身のパックを見かける程度でした。今回、縁あって丹波の地に開業することになり、20年以上高級スーパーマーケットの鮮魚売り場を担当していた西村孝さんが店長として切り盛りしています。食べ方の提案も含め、丹波の地に活きた魚の美味しさを伝えていきたいと意気込みます。

早い者勝ち!開店金曜~日曜の来店前にはSNSを要チェック

同店では、明石近郊の瀬戸内で獲れたものを中心に、全国の新鮮な魚貝類をラインナップ。営業日である金曜~日曜の朝、明石の卸売市場まで仕入れに出向きます。この日は明石の天然鯛や高知の金目鯛がおすすめだと、西村さん。「スーパーマーケットにはないものをご用意できるのがうちの強み。それに都会に比べ、価格もかなりお得になっています。ものによっては百貨店の半値くらいでご提供できるものも」。

瀬戸内の魚は、身が締まっていて水臭さが少ないとのこと。その美味しさや品ぞろえの豊かさに魅了され、毎週通う常連客も増えています。和食や居酒屋、イタリアンなど市内の飲食店からの注文も多く、ある飲食店からは、「新しいメニューを開発することができて、お客様が喜んでくれた」と、嬉しい言葉もいただいたのだとか。
また、三田や丹波篠山など近隣地域からのお客様も増えているそうです。「子どもが生きた魚を見たことがない、と言って連れてこられる方も多いですね。食育になっているんだと思います。嬉しいですね。子どもたちにはやっぱり、本当に美味しい魚の味を知ってもらいたいですから」。

取材に訪れた金曜日、神戸出身の男性が生け簀から「おこぜ」を見つけ、刺身用にとオーダー。「待望の魚屋さんで、オープン以来毎週来ています。先日おこぜのお造りを食べて美味しかったので、また来ました」と、教えてくれました。
また、この日は、「川津えび」が大人気。10時半の営業開始前にSNSで「今日の入荷状況」をお知らせした段階で注文が多く入り、開店30分のあいだに完売。

この時期は貝類も豊富で、北海道産の活あさりやホタテ、サザエも大粒!バーベキューシーズンとあって、週末のお取り置き注文も多数入っているそう。
来店された高齢の男性客は、週末お孫さんたちが来てバーベキューをするからとイカを注文。たくさんの貝類を前に、「ホタテもサザエも大きいなぁ。子どもが初めて食べるから小さい方がいいのだけどなぁ」と。西村さんは「そのサイズしかないけど、小さめを見繕っておきますよ」と笑顔で対応していました。初めて出会う味に、お子さんたちの感想が気になります。

陳列を眺めているのが楽しくなるほど、干物や海藻なども種類豊富。

干物も各種スタンバイ。品揃え豊富な大阪中央卸売市場で仕入れているため、地方ではなかなか見かけない良品が手に入ります。この日は、きびなごや金目鯛、かますなど。見るからに身がふっくらしていて、焼くとジューシーなんだろうなぁ…と思わず喉をゴクリ。西村さんは、「このあたりは、干物も種類を多く売っているところがあまりないんです。美味しいものを身近に感じてもらいたいという思いで毎回仕入れてきます」。

同店ができたことで、わが家の食卓が変わったという声も多く届いているとのこと。「一尾丸ごととか、生きた魚とかを料理したことのない人も多いので、魚の名前だけではなく、“これどうやって食べるの?”と聞かれることもよくあります。なので、ご自宅で簡単にできる食べ方も一緒にお伝えしますよ」。この道20数年、魚のプロなので何でも気軽に質問しましょう。

豊かで楽しみな日常生活を地域住民にもたらしました。

常連客の中には、「毎週金曜日はお造りの日」と決めている方も。その方が来店されると、西村さんは勝手知ったるといった風に、「いつものね」と、手際よく様々な魚を手に取り、盛り合わせ用に捌いていきます。

焼き用の青魚を毎週買われる別のお客さんが来店するやいなや、今度は「いらっしゃいませ!鯖で」、と言って、保冷ケースからささっと鯖の尾を持って炊事場に移動して三枚卸しに。
常連客のそれぞれのニーズが頭に入っている様子。
その上で、さらなる要望や食べ方、保存の仕方、好みなどを伺いながら、臨機応変に提案していきます。

「金曜日はお刺身に、土日は焼き、週明け分は…など、まとめてご購入される方が多いので、美味しく保存できる方法もお伝えしています」。確かに、取材に訪れたこの日も、1つ2つではなく、まとめて何種類もご購入されている方がほとんどでした。
それぞれのご家庭で、金曜か週末は山之魚屋を訪れ、新鮮な魚介を購入し、自宅で料理をして食べるという新たな生活スタイルと、何よりもそういった「日常の楽しみ」が増えた人が多いのだろうなと感じました。
一度訪れると、“お買い物ルーティーンリスト”に仲間入りすること間違いなしです。

 

<注意事項>

  • 新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、店内でのマスク着用、手指の消毒、ソーシャルディスタンス等に配慮しています。ご協力をお願いいたします。
  • 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。