地域でとれる希少な小豆の専門店で、絶品「おはぎ」を味わう

あずき工房やなぎだ

丹波産の「丹波黒さや大納言小豆」は、つややかで四角に近い形で見た目もきれい、味もよいことから最高級の小豆として和菓子職人らに求められています。中でもこの東中地区でとれる小豆は、質がよくておいしいのです。この小豆を守り、伝えようと、店を開いているのが、「あずき工房やなぎだ」の柳田明子さんです。

地域の味、その文化を伝えたい

ひと口に小豆と言っても、その種類は多く、現在多く栽培されている茶さやは、昭和30年代に広まったそうです。それまでは、白さや黒さやなど、いろいろな種類が丹波でも栽培されていました。この地域の人は「黒さやは茶さやよりおいしい」と、黒さやの栽培を続け、赤飯やおはぎを各家庭で作っていました。黒さやは栽培に手間がかかって収穫量も少ないため、商売には不向き。売り物ではないから逆に効率を求めず、家族のために手間ひまかけて栽培が続けられていたようです。

地域では毎月1日と15日に、赤飯やおはぎを神棚に備える習慣があります。柳田さんは、いつの頃からか「作るのがしんどい」というお年寄りのために余分に作るようになりました。「地域のおばさんたちに、育て方や料理法を教えてもらったし、恩返しの意味もありました」と言います。そのうち、「気を使うから売ってほしい」と言われて販売を始めることになります。

小豆は7月頃に種蒔きをして11月に収穫です。農薬は使いたくないので虫が集まってきたり手入れは大変です。完熟するとさやが黒くなり、これを手でもいで天日干しして、「とうみ」という昔ながらの器具でゴミをとって手作業で選別。
大粒で表皮が薄いので、皮を傷つけないように、ゆっくりと煮ます。煮詰めても型くずれせず、かすが残らないので食べやすいのです。

小豆のうまみをおはぎで実感

この希少な丹波黒さや大納言小豆、食べてみたくなりますね。お店では、おはぎセット(手作りの漬物、あずき茶付/800円)を食べることができます。 もち米は、在来種の篠原糯を地元の生産者から分けてもらい、コシヒカリを加え、ザラメであっさりと味付けたあんこで包みます。

ここの小豆は、洗ったらすぐに煮て、そのまま一晩つけておくと翌朝には、ほどよい柔らかさになっているそう。土日限定のランチは「小豆御膳」2,800円。季節の野菜をたっぷり使ったランチなので、内容は時期によって変わります。 小豆ごはんと小豆みその味噌汁、あずき茶がセットになった小豆づくしを楽しめます。 (小豆御膳は3日前までに要予約)

赤飯やおはぎが買えます

400円

赤飯は、蒸しおこわではなく、炊き込んだ「あずきご飯」なので、お年寄りにも食べやすいですよ。

450円

店で食べるのもよし、買って帰るのもよし、名物のおはぎ。シンプルな料理だけに、素朴な味わいが楽しめます。

小豆のお菓子や調味料は店舗と通販で

「丹波黒さや羊羹」150g、1,100円

店では丹波黒さや大納言小豆のほかに、加工品も買えます。一部ですが紹介しましょう。素材の旨みがたまらない、「丹波黒さや羊羹」。

小豆の風味が香ばしい「あずき茶」は、テトラパック10個入り700円。ポリフェノールがたっぷり入っていそうですね。

手作りの無添加小豆味噌は、味噌汁や鍋に入れたり、そのまま野菜につけても。400g936円

現在、この東中地区で、丹波黒さや大納言小豆栽培しているのは10人ほどしかおらず、高齢化も進んでいます。「大切な種とともに、料理する文化も次世代へつないでいきたい」と、柳田さんは、娘さんにもその技術を伝授中です。

 

<注意事項>

  • 新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、店内でのマスク着用、手指の消毒、ソーシャルディスタンス等に配慮しています。ご協力をお願いいたします。
  • 掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。